2011年 ウミガラス(オロロン鳥)情報
2011年のオロロン鳥(ウミガラス)の情報です。
天売で調査活動中の環境省羽幌自然保護官事務所から寄せられて情報により、羽幌町ホームページのフォトクリップのコーナーでご紹介した記事を1年間分まとめて掲載しています。
2011年8月5日 3年ぶりのヒナの巣立ち
国内では天売島だけに生息する絶滅危惧種ウミガラスのヒナが3年ぶりに巣立ちました。
同事務所では、4月に赤岩対崖繁殖地で音声装置による誘引を開始して以来、ウミガラス20羽が飛来。先月3日には親鳥がえさを運ぶ姿を初確認するなど繁殖行動がみられていましたが、今月2日までに7羽のヒナの巣立ちを確認しました。
ここ2年は、ハシブトガラスやオオセグロカモメに襲われ巣立ちには至りませんでしたが、今年度は猟友会羽幌支部の協力でエアライフルによる捕食者の駆除を実施。巣立ちの成功につながったと同事務所では分析しています。
(写真提供:環境省羽幌自然保護官事務所)
今年度の繁殖地での経緯は次のとおりです。
(2011年4月21日)
音声装置設置(誘引開始)
(2011年5月5日)
20羽の飛来を初確認
(2011年7月3日)
親鳥によるえさ運びを初確認
(2011年7月24日25日)
1羽巣立ち(22日以降えさ運びが確認されず、また、その前後でオオセグロカモメの飛来も確認されていないことから推定)
(2011年7月27日)
2羽巣立ち(うち1羽は巣立ち行動)
(2011年7月28日)
1羽巣立ち(巣立ち行動)
(2011年7月31日)
1羽巣立ち
(2011年8月2日)
2羽巣立ち(うち1羽は巣立ち行動)
(2011年8月3日)
繁殖地内に姿なし(周辺海上に2羽のみ)
※巣立ち行動~ウミガラスのヒナが巣立つために岸壁に姿を現している状態
2011年7月11日 ヒナを確認
写真は親鳥がえさを運んでいるところです。11日現在、6カ所で確認しておりヒナの数は今後も増える可能性がありますが、このまま順調に育てば今月末から8月上旬には巣立つ見通しとのことです。
同事務所では、2年連続でオオセグロカモメやハシブトガラスに卵やヒナを捕食されていることから、今年度はエアライフルをつかって繁殖地周辺で捕獲作業を実施。今のところ被害の確認はなく飛来数も昨年度より減少しているとのことですが、引き続き捕獲作業や繁殖地の調査を行い、3年ぶりの巣立ちを成功させたいと意気込んでいます。
(写真提供:羽幌自然保護官事務所)
2011年4月27日 音声装置を設置
環境省羽幌自然保護官事務所は21日、天売島西部の崖地2箇所にウミガラス(オロロン鳥)をおびき寄せるための音声装置を設置しました。
音声装置は、昨年と同じく赤岩対崖と屏風岩対崖に設置。バッテリー用ソーラーパネルやスピーカーなどが取り付けられ、録音したウミガラスの鳴き声が流れます。23日には1羽の飛来を初めて確認したとのことで、今後も多くの飛来や繁殖が期待できます。
今後は、エアライフルをつかったオオセグロカモメなど捕食者の捕獲や、ヒナが避難できるようなシェルターの設置を予定しているとのことです。
(写真提供:環境省羽幌自然保護官事務所)
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