平成23年度離島漁業再生支援交付金事業の公表｜くらしの情報

平成23年度離島漁業再生支援交付金事業の公表

天売・焼尻における離島漁業再生交付金事業の概要を公表します。

１．集落協定の概要

天売漁業集落　　交付金額：8,704千円、協定参加世帯数：64世帯（うち漁業世帯64）

焼尻漁業集落　　交付金額：5,440千円、協定参加世帯数：40世帯（うち漁業世帯40）

２．協定締結の経過

　羽幌町の天売・焼尻島は、離島のために生産や販売に不利な条件にあり、また、漁業者の減少や高齢化が急速に進む現状にあって、漁場の活用が充分に行われず、その結果、良好な海域環境の保全や国境監視といった多面的機能も失われる等の課題を抱えています。以上のことから、離島漁業の再生を図り多面的機能を確保することを目指して、離島交付金による漁業再生活動に取組むこととしました。

３．取組の内容

　１　漁場の生産力の向上に関する取組状況

　　ウニ漁業は、島の生産高の22～23％近くを占める重要な漁業であり、漁業者の高齢化に伴いますます依存度が高くなっています。このため天売・焼尻漁業集落では、それぞれエゾバフンウニ人工種苗、殻径15mm・270,000粒の放流を実施して資源増大を図ることとしました。また、餌料環境の悪い場所にある未利用のキタムラサキウニ等を、天売は磯船により採捕し餌料環境の良好な漁場に移植放流しウニ資源の増大を図ることとしました。

　他方、種苗放流漁場においてはヒトデ類などの害敵生物が確認されるため、害敵駆除を実施し種苗放流効果の向上を図ることとしました。加えて、餌料環境が悪化している漁場改善のため設置したコンブ礁にコンブ種苗糸を設置し餌料環境改善を図りました。また、他地域でのニシン稚魚放流の実績を参考にして、天売・焼尻漁業集落毎にニシン稚魚30,000匹づつを放流し資源の造成を図ることとしました。

　　天売・焼尻漁業集落は、ナマコ資源減少の心配があるため、自然産卵試験を実施し資源確保を図り、天売では、漁場の資源調査を実施しました。

　　この他、天売漁業集落では夏の観光シーズンの密漁防止のため６月は１名、７月～８月の２ヶ月間３名、帰省客の増えるお盆休み期間中は臨時監視員を配置してウニ資源の維持を図ることとしました。

　２　集落の創意工夫を活かした新たな取組状況

　天売漁業集落では、ウニ・ヒラメ・タコの流通体制改善のため海水冷却装置を導入し、夏期間の高水温時や時化などの影響を受けずに消費者への安定供給を図りました。出荷用ウニ篭を購入し、出荷時の品質管理を行ないました。　
　　焼尻漁業集落では販路拡大として、水槽・活魚ポンプ１台を購入し観光客へ生ウニの販売を行ないました。

４．取組の成果

　１　漁場の生産力の向上に関する取組

　　天売漁業集落は、人工種苗や天然種苗の移殖放流を実施することにより新たな資源の添加が図られ、放流漁場のヒトデ等を駆除による適切な漁場管理に努めたことから生産性の向上を見込むことが出来ました。
　ニシン稚魚放流を実施したことにより、今後の漁獲が期待されます。
餌用コンブ養殖のコンブ礁に種苗糸を設置し、コンブ養殖を行うことによって飼料環境の改善が図られ、昨年設置種苗糸したコンブの生育調査の実施により、コンブ礁の有益性が確認出来ました。

　ナマコ資源管理のため、漁場の資源調査を実施し、その結果、今後の試験管理方法の検討に有益な情報が得られました。
    漁場監視により、密漁が防止され、ウニ資源の維持を図ることができました。
    焼尻漁業集落は、人工種苗放流を実施することにより新たな資源の添加が図られました。
    ニシン稚魚放流を実施したことにより、今後の漁獲が期待されます。
    天売・焼尻漁業集落は、ナマコ資源減少の心配があるため、自然産卵試験を実施しました。
　調査結果は、雨水の影響により産卵を確認出来ませんでしたが、資源保護の重要性が再認識されました。