水質基準項目の説明
水質基準項目の説明(健康に関する項目)
1 一般細菌(1mlの検水で形成される集落数が100以下であること)
一般細菌は、水や土中に生育している細菌のことで、ほとんどが無害な細菌です。清浄な水には少なく、汚濁された水には多い傾向があるため、水の汚染状況や飲料水の安全性を判定するための指標となります。
2 大腸菌(検出されないこと)
赤痢等の水系伝染病の発生を防ぐ目的として、ふん尿に汚染されているかの判定のために行っているのが大腸菌の試験です。大腸菌は塩素があると死んでしまうため、大腸菌が検出されるとふん便に汚染された可能性が高く、しかも塩素が入っていないことがわかります。
平成16年度の水質基準改正により、それまで基準項目に入っていた大腸菌群から、ふん便汚染を知るのにわかりやすい大腸菌に変更されました。
3 カドミウムおよびその化合物(0.003mg/l以下)
カドミウムは、イタイイタイ病の原因となった物質として有名です。肝臓、腎臓に蓄積し、急性中毒として嘔吐、めまい、頭痛など、慢性中毒として異常疲労、貧血、骨軟化症などの症状があらわれます。また、メッキや充電池(ニッカドはニッケル・カドミウムの略)の原料等として使われているため、これらの工場排水や亜鉛の鉱山排水が汚染源として考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
4 水銀およびその化合物(0.0005mg/l以下)
水銀は、体温計によく使われていましたし、水俣病の原因となった物質としても有名です。体温計に使われるている水銀は、純粋な水銀で人体に入ってもほとんどが排出されます。しかし、水俣病の原因にもなった有機物と反応した水銀は、排出されにくいため蓄積性が高く、低濃度でも中毒症状がでます。症状としては知覚障害、言語障害等があらわれます。水銀は、一般にも多く使われており、廃棄物処理場や水銀を使用する工場排水が汚染源として考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
5 セレンおよびその化合物(0.01mg/l以下)
セレンは、あまり馴染みのない金属ですが、半導体の原料として多く使われており、体内に入ると低濃度でも急性中毒として皮膚障害、嘔吐、全身けいれんなど、慢性中毒として皮膚障害、胃腸障害、貧血などの症状があらわれます。汚染源は、鉱山やセレン製品製造所が考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
6 鉛およびその化合物(0.01mg/l以下)
鉛は、バッテリーや合金、塗料など多様に使用されています。水道では昔、曲げたり、切ったりする加工が容易なことから鉛製の水道管が使用されていました。現在の水道管(配水管)は、ほとんどが鉄製や塩化ビニール(塩ビ)製になっています。急性中毒として嘔吐、腹痛、下痢、血圧降下など、慢性中毒として疲労、けいれん、便秘などの症状があらわれます。また、乳幼児の血中鉛濃度が増すと知能指数の低下に関連するとの報告もあります。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
7 ヒ素およびその化合物(0.01mg/l以下)
ヒ素は、毒性の強い物質です。半導体材料やねずみを殺す薬剤などとして利用されています。地質により、地下水で検出されることが多い物質です。急性中毒として嘔吐、下痢、腹痛など、慢性中毒として皮膚の角化症、黒皮症、末梢神経炎などの症状があらわれます。また、発がん性物質としても知られています。工場排水や温泉、鉱山排水などが汚染源として考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
8 六価クロム化合物(0.02mg/l以下)
クロムは、メッキやニクロム線、ステンレス等の材料として多く使われています。金属のクロムは無害なのですが、水道水中では塩素の影響で六価クロムとなり、強い毒性を持ちます。急性中毒として腸カタル、嘔吐、下痢など、慢性中毒として肝炎などの症状があらわれます。汚染源は、メッキなどクロム使用工場からの排水が考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
9 亜硝酸態窒素(0.04mg/l以下)
亜硝酸態窒素は、血液中のヘモグロビンと反応し酸素を運べなくする作用があります。非常に低濃度でかなり広く存在していますが、自然界ではほとんどが硝酸態窒素として存在しています。 平成26年の水質基準改定により水質追加水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
10 シアン化物イオンおよび塩化シアン(0.01mg/l以下)
シアン化物イオンは、青酸とも呼ばれ、毒物として広く知られています。メッキや金銀の精錬、写真工業に使用されます。塩化シアンはシアン化物イオンと塩素が反応してできる物質です。シアンの致死量は、シアン化カリウム(青酸カリ)で0.15~0.3gです。血液中のヘモグロビンが酸素を運ぶ作用を阻害し、窒息により死に至ります。汚染源は、メッキ工場の排水などが考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
11 硝酸態窒素および亜硝酸態窒素(10mg/l以下)
硝酸態窒素は、人体に影響は与えませんが、亜硝酸態窒素は血液中にヘモグロビンと反応し、酸素を運べなくするため多量に服用すると窒息状態になります。硝酸は、亜硝酸と酸素が反応したものです。生後6カ月未満の乳幼児の場合、硝酸態窒素は体内では亜硝酸態窒素へと変化するため合計した値で評価します。大人の場合、硝酸態窒素が亜硝酸態窒素へと変化することはほとんど起こりません。汚染源は、肥料、生活排水、工場排水、腐敗した動植物などが考えられます。水質基準値は、乳幼児への毒性を考慮して設定されています。
12 フッ素およびその化合物(0.8mg/l以下)
フッ素を摂取すれば、虫歯予防になるとよく言われます。しかし、適量を超えると歯の石灰化不全による斑状歯(注)となります。さらに多量に摂取すると骨硬化症や甲状腺障害などの症状があらわれます。フッ素は土中に多く存在し、地下水では比較的多く含まれています。汚染源としてはフッ素樹脂等の工場排水、温泉排水が考えられます。水質基準値は斑状歯になる量を考慮して設定されています。
(注)歯の表面にしま模様の白濁ができ、症状が進むと、歯が着色したり、欠けることもある病気です。
13 ホウ素およびその化合物(1.0mg/l以下)
中毒症状として重くなると血圧低下、ショック症状や呼吸停止などの症状があらわれます。金属の表面処理などに使われており、これらの工場からの排水、火山地帯の地下水や温泉が汚染源として考えられます。水質基準値は毒性を考慮して設定されています。
14 四塩化炭素(0.002mg/l以下)
四塩化炭素は、フロンガスの原料やスプレー等の噴射剤、金属の洗浄剤として使われており、石油などから人工的に作られた有機化学物質で、発がん性の可能性が高い物質です。工場排水の地下浸透により、地下水を汚染することがあります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
15 1,4-ジオキサン(0.05mg/l以下)
1,4-ジオキサンは、非イオン界面活性剤を製造する過程で不純物として発生するため、洗剤などの製品に不純物として含有しています。発がん性の高い物質です。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
16 シス-1,2-ジクロロエチレンおよびトランス-1,2-ジクロロエチレン(0.04mg/l以下)
シス-1,2-ジクロロエチレンはプラスチックの原料として使われている有機化学物質です。地下水汚染3物質が分解した物質の一つで、地下水で多くの検出事例があります。川などでは、すぐ蒸発してしまうためほとんど汚染されていません。トランス-1,2-ジクロロエチレンは、溶剤、染料抽出、香料等に使用される揮発性の有機化学物質です。こちらも地下水汚染3物質が分解した物質の一つです。ともに、発がん性の可能性は低いですが、比較的毒性が高く、高濃度では麻酔作用があります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
17 ジクロロメタン(0.02mg/l以下)
ジクロロメタンは、地下水汚染3物質やフロンの代替品として使われている有機化学物質です。地下水で検出事例がありますが、川などではすぐ蒸発してしまうためほとんど汚染されていません。発がん性のある可能性が高い物質です。毒性も比較的高く、高濃度では麻酔作用があります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
18 テトラクロロエチレン(0.01mg/l以下)
テトラクロロエチレンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属や半導体の洗浄剤、フロンの原料として使われている有機化学物質です。平成元年まで法令による規制がなかったため、テトラクロロエチレンを使っている工場やクリーニング店の敷地などから漏洩したものが地下に浸透し、地下水を汚染したものと考えられています。地下水で多くの検出事例がありますが、川などではすぐ蒸発してしまうためほとんど汚染されていません。発がん性のある可能性が高い物質です、毒性も比較的高く、頭痛や肝機能障害などの症状があらわれます。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
19 トリクロロエチレン(0.01mg/l以下)
トリクロロエチレンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属や半導体の洗浄剤として使われている有機化学物質です。テトラクロロエチレンと同じ理由で地下水から多くの検出事例があります。発がん性の可能性が高い物質です。毒性も比較的高く、嘔吐、頭痛などの症状があらわれます。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
20 ベンゼン(0.01mg/l以下)
ベンゼンは、合成ゴムや合成繊維の原料として使われている有機化学物質です。ベンゼンを取り扱う工場から漏洩したものが地下に浸透し、地下水を汚染したものと考えられています。また、ガソリンの燃焼でも発生します。ベンゼンは、高い発がん性があります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
21 塩素酸(0.6mg/l以下)
塩素酸は、塩素を入れるときに使う塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム)が分解をおこすことにより生成されたり、塩素剤に不純物として含まれていることがあります。全国で多くの検出事例があることから、平成20年の水質基準改定により新たに水質基準項目に加えられました。水質基準値は安全性を考慮して設定されています。
22 クロロ酢酸(0.02mg/l以下)
クロロ酢酸は、トリハロメタンと同様に水に含まれる有機物と塩素が反応してできる物質です。毒性が強いとの報告があるため、水質基準値は毒性を考慮して設定されています。全国で検出事例があることから、平成16年の水質基準改定により水質基準項目に加えられました。
23 クロロホルム(0.06mg/l以下)
クロロホルムは、4種類あるトリハロメタンの一つです。クロロホルムは毒性が強く、中枢神経を抑制するため麻酔剤として使われ、過剰投与で死に至ることもあります。また、肝臓や腎臓の機能障害を引き起こします。発がん性のある可能性が高い物質です。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
24 ジクロロ酢酸(0.03mg/l以下)
ジクロロ酢酸は、トリハロメタンと同様に水に含まれる有機物と塩素が反応してできる物質です。発がん性のある可能性が高い物質です。全国で多くの検出事例があることから、平成16年の水質基準改定により水質基準項目に加えられました。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
25 ジブロモクロロメタン(0.1mg/l以下)
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質などの有機物質と反応して生成されるトリハロメタンの成分の一つです。生成量は原水中の臭素イオン濃度に強く影響され、臭素イオンが多いほど生成量も多くなります。発がん性のある可能性が高い物質です。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
26 臭素酸(0.01mg/l以下)
臭素酸は、塩素を入れるときに使う塩素剤に不純物として含まれています。発がん性のある可能性が高い物質です。全国で多くの検出事例があることから、平成16年の水質基準改定により新たに水質基準項目に加えられました。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
27 総トリハロメタン(0.1mg/l以下)
総トリハロメタンは、4種類あるトリハロメタンの量を足したものです。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
28 トリクロロ酢酸(0.2mg/l以下)
トリクロロ酢酸は、トリハロメタンと同様に水に含まれる有機物と塩素が反応してできる物質です。医療用や除草剤、防腐剤に使用されています。発がん性のある可能性が高く、毒性も強い物質です。全国で多くの検出事例があることから、平成16年の水質基準改定に加えられました。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
29 ブロモジクロロメタン(0.03mg/l以下)
ブロモジクロメタンは、4種類あるトリハロメタンの一つです。ジブロモクロロメタンと同様な発がん性があります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
30 ブロモホルム(0.09mg/l以下)
ブロモホルムは、4種類あるトリハロメタンの一つです。ジブロモクロロメタンと同様な発がん性があります。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
31 ホルムアルデヒド(0.08mg/l以下)
ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質として知られています。トリハロメタンと同様に水に含まれる有機物と塩素が反応してできる物質です。発がん性のある可能性が高い物質です。呼吸困難、めまい、嘔吐などの症状があらわれます。全国で多くの検出事例があることから、平成16年の水質基準改定により基準項目に加えられました。水質基準値は発がん性を考慮して設定されています。
水質基準項目の説明(水道水が有すべき性状に関する項目)
32 亜鉛およびその化合物(1.0mg/l以下)
亜鉛は、人間にとって必須な元素で、体重70kgの男性で1.4~2.3g体内に保有しており、1日平均すると13mgを摂取しています。欠乏すると味覚障害や食欲減退などを起こします。水道水に多量に含まれると白く濁り、お茶の味を悪くすることがありますが、毒性はほとんどありません。水質基準値は水道水が白色にならない量として設定されています。
33 アルミニウムおよびその化合物(0.2mg/l以下)
アルミニウムは、アルツハイマー病の原因物質とも言われていますが、確認はされていません。水道水に多量に含まれると白濁水の原因になることがあります。アルミニウムは急速ろ過に使われる薬品(ポリ塩化アルミ)の主原料です。この薬品に含まれるアルミニウムは、水に溶けないため砂や泥等と一緒に除去され、水道水にはほとんど影響を与えません。全国で多くの検出事例があることから平成16年の水質基準改定により水質基準項目に加えられました。水質基準値は水道水が白濁しない量として設定されています。
34 鉄およびその化合物(0.3mg/l以下)
鉄は、人間にとって必須な元素で、成人で約4.5gを体内に保有しており、1日必要摂取量は約10mgです。水道水に多量に含まれると赤色を着けます。水道水中の鉄は、水道管から溶け出したものがほとんどで、特に古い給水管には、鉄製で内面にコーティングを施していないものがあり、しばらく使わなかった後の水が赤茶色に濁ったりすることがあります。水質基準値は水道水が赤色にならない量として設定されています。
35 銅およびその化合物(1.0mg/l以下)
銅は、人間にとって必須な元素で、1日必要摂取量は約10mg程度と言われています。水道水に多量に含まれると青い色を着けます。緑青は毒性が高いといわれていますが、昔、精製技術がよくなかった頃に緑青そのものにヒ素が混入していたためであり、銅そのものによる人に対する毒性は高くありません。水質基準値は水道水が青色にならない量に設定されています。
36 ナトリウムおよびその化合物(200mg/l以下)
ナトリウムは、人間にとって必須な元素で、主に食塩(塩化ナトリウム)から摂取しています。食塩を過剰に摂取するとけいれん、筋硬直、肺浮腫などの症状があらわれます。水に溶けるとナトリウムイオンとなります。水質基準値は塩辛さを感じない量として設定されています。
37 マンガンおよびその化合物(0.05mg/l以下)
マンガンは、人間にとって必須な元素で、成人で約200mgを体内に保有しており、1日4mg程度を摂取しています。水道水中に含まれると黒い色を着けます。多量に長期間摂取すると慢性中毒として不眠、感情障害など、急性中毒として神経症状、全身倦怠感などの症状があらわれます。水質基準値は水道水が黒色にならない量として設定されています。
38 塩化物イオン(200mg/l以下)
塩化物イオンは、塩の成分で、消毒用に入れている塩素と異なります(塩化ナトリウムは塩化物イオンとナトリウムイオンで構成されています)塩は人間にとって必須なものですが、水道水に多量に含まれると塩辛さを与えます。水質基準値は塩辛さを感じない量として設定されています。
39 カルシウム、マグネシウム等(硬度)(300mg/l以下)
はっきりとした決まりはないのですが、一般的に硬度が水1リットル中に含まれる量が100mgまでのものを軟水、それ以上のものを硬水と言います。硬度が高いと石鹸の洗浄効果を低下させたり、下痢を起こしやすくなったりします。水質基準値は洗浄効果を低下させない量として設定されています。
40 蒸発残留物(500mg/l以下)
蒸発残留物は、水道水を蒸発させた後に残る塩などの量のことで、カルシウムやマグネシウムなど水道水中に溶けているものが多いほど多くなります。水質基準値は水道水の味を悪くしない量として設定されています。
41 陰イオン界面活性剤(0.2mg/l以下)
陰イオン界面活性剤は、合成洗剤の主成分で、水道水にある程度含まれると使用時に泡が発生するようになります。水質基準値は泡が発生しない量として設定されています。
42 ジェオスミン(0.00001mg/l以下)
ジェオスミンは、カビ臭物質の一つであり藻の中でも藍藻類の中にあり、塩素消毒などにより藍藻類が壊れたときに出てくる物質であり、カビそのものではありません。水質基準値は一般の人がカビ臭を感じない量として設定されています。
43 2-メチルイソボルネオール(0.00001mg/l以下)
2-メチルイソボルネオールは、カビ臭物質の一つであり、ジェオスミン同様に藍藻類が原因となる物質であり、ジェオスミン同様にカビそのものではありません。水質基準値は一般の人がカビ臭を感じない量として設定されています。
44 非イオン界面活性剤(0.02mg/l以下)
非イオン界面活性剤は、陰イオン界面活性剤と同様に合成洗剤の主要な成分で、水道水にある程度含まれると泡が発生するようになります。全国での検出事例が多いことから、平成16年の水質基準改定により水質基準項目に加えられました。水質基準値は泡が発生しない量として設定されています。
45 フェノール類(0.005mg/l以下)
フェノール類は、消毒剤や防腐剤、合成樹脂原料として使われています。多量に摂取すると消化器系粘膜の炎症、嘔吐などの症状があらわれます。発がん性のある可能性が高い物質です。塩素と反応すると強い刺激臭がします。水質基準値は塩素と反応してにおいが発生しない量として設定されています。
46 有機物 ※全有機炭素(TOC)の量(3mg/l以下)
有機物は従来、過マンガン酸カリウム消費量として評価していましたが、有機物の量を正確に把握できないことから、平成16年の水質基準改定により全有機炭素(TOC)の量に変更されました。水質基準値は水道水の味を悪くしない量として設定されています。
47 pH値(5.8以上8.6以下)
pH値は、水の酸性、アルカリ性を0~14で数値化したもので、中性は7程度でありこれより低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強いことを表しています。水質基準値は、水道水が弱酸性から弱アルカリ性である値として設定されています。
48 味(異常でないこと)
水は基本的に無味ですが、不純物等が入ることなどにより味がします。不純物等が多量に入ると塩辛さや渋み等を感じることがあります。水質基準値は「異常な味がしないこと」と定められています。
49 臭気(異常でないこと)
臭気は、水道水のにおいのことです。水道水は塩素消毒を行うため、塩素臭(カルキ臭)を感じられることがあります。カビ臭物質や油が混入するなどにより水道水から塩素臭以外のにおいがします。塩素臭以外のにおいを異常なにおいとし、水質基準値は「異常なにおいがしないこと」と定められています。
50 色度(5度以下)
水は基本的に無色ですが、鉄などが含まれることにより色を着けます。色度は色の度合いを数値化したもので、水質基準値は肉眼でほとんど色を感じないくらいの値として設定されています。
51 濁度(2度以下)
水は基本的に透明ですが、鉄などが含まれることで濁りを生じることがあります。濁度は、濁りの度合いを数値化したもので、水質基準値は肉眼でほとんど濁りを感じられないくらいの値として設定されています。
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