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議会議事録(平成24年第1回定例会 3月6日)

議会議事録(平成24年第1回定例会 3月6日)

平成24年第1回羽幌町議会定例会会議録

〇議事日程(第1号)
平成24年3月6日(火曜日) 午前10時00分開会

第1 会議録署名議員の指名                          
第2 会期の決定                               
第3 諸般の報告                               
第4 町政執行方針                              
第5 教育行政執行方針                            
第6 一般質問                                

〇出席議員(11名)
 1番 森     淳 君
  2番 金 木 直 文 君
 3番 小 寺 光 一 君
  4番 寺 沢 孝 毅 君
  5番 船 本 秀 雄 君
  6番 磯 野   直 君
 7番 平 山 美知子 君
  8番 橋 本 修 司 君
  9番 駒 井 久 晃 君
10番 熊 谷 俊 幸 君
11番 室 田 憲 作 君                  

〇欠席議員(0名)

〇地方自治法第121条の規定により説明のため出席した人
 町  長 舟橋 泰博 君               
 副町長 本間 幸広 君               
 教育長 石川   宏 君               
 教育委員会委員長 大橋 鉄夫 君               
 監査委員 長谷川 一志 君               
 農業委員会会長 高見 忠芳 君               
 会計管理者 大波 芳弘 君               
 総務課長 井上  顕 君               
  総務課総務係長  酒井 峰高 君               
 総務課職員係長 飯作 昌巳 君               
  総務課政策推進係長  伊藤 雅紀 君                             
 財務課長 品野 万亀弥 君               
 財務課財政係長 室谷 眞二 君               
  財務課税務係長 豊島 明彦 君                             
 町民課長 藤岡 典行 君               
 町民課長補佐 今野 睦子 君               
  町民課住宅係長 木村 謙彦 君
  町民課環境衛生係長 杉野  浩 君                                  
 福祉課長 鈴木 典生 君               
 福祉課長補佐 江良  貢 君               
 福祉課主幹 更科 滋子 君               
  福祉課社会福祉係長  棟方 富輝 君                                 
  福祉課国保医療年金係長 今村 裕之 君                            
 建設水道課長 山口 芳徳 君               
 建設水道課長補佐 三浦 良一 君               
 建設水道課土木係長 笹浪  満 君            
 建設水道課港湾係長 熊谷 裕治 君               
 建設水道課土木係主査 小笠原  聡 君               
  産業課産業課長  三浦 義之 君                             
  産業課林務畜産係長  三上 敏文 君               
  産業課商工労働係長  大平 良治 君                                 
 天売支所長 春日井 征輝 君               
 焼尻支所長 杉澤 敏隆 君               
 学校管理課長 熊木 良美 君               
 社会教育課長兼公民館長 浅野 勝彦 君             
 学校管理課長補佐兼学校給食センター所長 永原 裕己 君               
 学校管理課総務係長 渡辺 博樹 君               
 学校給食センター係長 近藤 幸臣 君               
  社会教育課社会教育係長 葛西 健二 君                             
 農業委員会事務局長 安宅 正夫 君               
 選挙管理委員会事務局長 井上  顕 君               

〇職務のため出席した事務局職員

     議会事務局長 水上 常男 君               
     総務係長 金丸 貴典 君               
     書記 加藤 典俊 君               

    ◎開会の宣告
〇議長(室田憲作君) ただいまから平成24年第1回羽幌町議会定例会を開会します。

(午前10時00分)

    ◎町長あいさつ
〇議長(室田憲作君) 町長から議会招集のあいさつの申し出がありますので、これを許します。
 町長、舟橋泰博君。
〇町長(舟橋泰博君) 平成24年第1回町議会定例会の招集に当たりまして、議員の皆様には何かとご多忙のところご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 一昨年から策定に取り組んでまいりました第6次羽幌町総合振興計画がこのたび完成いたしました。本計画の策定に当たりましては、アンケート調査や各種会議の開催など多くの皆様にご参加をいただき、貴重なご意見を賜りました。この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。本計画の実行に当たりましては、議会及び町民各位の連携、協力を図りながら、必要な事務事業を効率的に実施し、最大限の事業効果が得られるよう努めてまいりますので、今後もご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。
 なお、平成24年度の各種施策については後ほど執行方針で述べさせていただきます。
 さて、本定例会に提案しております案件は、定期監査報告、専決処分の承認が各1件、議案として条例案16件、パスポートの事務の委託に伴う規約の協議が2件、一部事務組合の規約改正1件、23年度補正予算案7件、新年度各会計予算案8件、同意として固定資産評価審査委員会委員の選任1件、そして人権擁護委員の推薦に係る諮問1件の計38件であります。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げまして、招集のあいさつとさせていただきます。

    ◎開議の宣告
〇議長(室田憲作君) これから本日の会議を開きます。

    ◎会議録署名議員の指名
〇議長(室田憲作君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第118条の規定によって、
   8番 橋 本 修 司 君    9番 駒 井 久 晃 君
を指名します。

    ◎会期の決定
〇議長(室田憲作君) 日程第2、会期の決定を議題とします。
 3月1日、議会運営委員会を開催しておりますので、委員長から報告を求めます。
 議会運営委員会委員長、船本秀雄君。
〇議会運営委員会委員長(船本秀雄君) 報告いたします。
 3月1日、議会運営委員会を開催いたし、今定例議会の運営について慎重に協議をした結果、次のとおりであります。
 今定例会における提出案件は、報告1件、承認1件、議案34件、同意1件、諮問1件、発議3件、意見案3件、都合44件、加えて一般質問4名5件となっております。議会運営委員会では、これらの案件を勘案の上、今定例会の会期は本日から9日までの4日間と決定いたしました。
 次に、審議予定について申し上げます。本日は、この後諸般の報告、町政及び教育行政執行方針の後、一般質問の審議をもって終了といたします。明7日は、報告、承認、一般議案、補正予算、平成24年度予算関連議案並びに各会計予算の提案理由の説明を聴取した後、予算特別委員会を設置し、付託して終了とします。その後、予算特別委員会を開催し、平成24年度各会計予算の内容説明を求めてから、予算関連議案並びに各会計予算の審議及び調査を行います。なお、本会議は9日まで休会とします。9日は、本会議を戻し、予算関連議案、各会計予算並びに同意、諮問、発議、意見案について審議を行います。
 議会運営委員会では、本日程の中で議事運営が敏速に進行されますよう、議員各位の特段のご協力をお願い申し上げます。
 以上でございます。
〇議長(室田憲作君) お諮りします。
 本定例会の会期は、議会運営委員会委員長の報告のとおり本日から3月9日までの4日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇議長(室田憲作君) 異議なしと認めます。
 したがって、会期は本日から3月9日までの4日間と決定いたしました。

    ◎諸般の報告
〇議長(室田憲作君) 日程第3、諸般の報告を行います。
 会議規則第21条の規定により、本日の議事日程表は配付いたしましたので、ご了承願います。
 次に、地方自治法第121条の規定により、本定例会に説明員として出席通知のありました者の職、氏名を一覧表として配付いたしましたので、ご了承願います。
 次に、監査委員から平成23年度11月から1月分までの例月出納検査結果の報告がありましたので、報告します。ご了承願います。
 次に、議員の出張報告を配付しましたので、ご了承願います。
 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第27条第1項の規定に基づく教育委員会の事務事業評価の報告が羽幌町教育委員会からありました。その写しを配付しましたので、ご了承願います。
 次に、各常任委員会から、閉会中の継続調査とした所管事項について委員長より調査の結果を報告します。
 最初に、総務産業常任委員会委員長、寺沢孝毅君。


〇総務産業常任委員会委員長(寺沢孝毅君)

平成24年 3月 6日
 
羽幌町議会議長 室田 憲作 様

総務産業常任委員会 委員長 寺沢 孝毅 

所管事務調査報告書

 本委員会は、調査中の案件について下記のとおり調査を終了したので報告します。



1 委員会開催日
 平成24年 1月27日
  平成24年 2月10日

2 所管事務調査事項
(1)産業団体(農協)との懇談会開催について
(2)除排雪業務について
(3)簡易水道の維持管理について
(4)港湾整備事業について
(5)その他
   ①農協小麦乾燥施設への支援について
  ②漁組事務所建設への支援について

3 調査結果及び意見   別紙のとおり

所管事務調査報告書
(1)産業団体(農協)との懇談会の開催について(平成24年 1月27日開催)
  〇オロロン農業協同組合理事との懇談会を開催し、農業経営の課題について次のような意見交換を行った。
  「農業の現状・課題について」
  ・農家戸数166戸。
  ・60歳以上では95戸(57.2%)、約6割が高齢者となっている。
  ・耕地面積は水田1,861ヘクタールうち761ヘクタールが転作、実質の水田面積は1,100ヘクタール。
  ・乳牛は高台地区で7戸、肉牛が6戸。
  ・野菜関係が減収、国の政策の関係もあるが、現在、麦、大豆、ソバが増加している。
  ・TPPによる留萌管内への影響等について説明を受ける。
  ・小麦乾燥調製貯蔵施設の増強工事について説明を受ける。
  ・米乾燥調製施設の増強工事について説明を受ける。
  ・農業改良普及センター庁舎の耐用年数が切れ、道が代替施設を模索していたがなく、撤退の話が出てきた。羽幌は本所として14名の職員が配置されており、撤退となると農業振興に大きく影響するため、農協事務所建設を前倒しで、農業改良普及センターも含めた施設として検討している。
 以上のような説明を受けて、懇談を行った。

【質問】JA事務所に入ることによって、普及センターの規模縮小につながらないか。
【回答】道からは、羽幌にそのまま本所機能を置くとの考え方が示されている。

【質問】どの程度の予算規模を考えているか。
【回答】普及センターの面積が示されていないため、公表できない状況。

【質問】食育、地場産品の活用等について、JAはどのように考えているか。
【回答】食育や6次産業化を国も推し進めているが、食育については、小さな子供から農業への関心度を深めていく観点で、関係機関と協議しながらたたき台をつくり、進めていきたい。
【意見】後継者の配偶者対策として、産業団体が一体となって婚活の場を考えてほしい。

【質問】中国など外国出身の女性に可能性はないか。
【回答】個人ではブローカーの介入が問題で、農協や自治体が実施すれば、ブローカーが介入できなくなる。

 以上のような課題について意見交換を行った。

(2)除排雪業務について(平成24年 1月27日開催)
  〇担当課より資料に基づき説明を受ける。
  ・路線区分については市街、原野地区を初め5地区で契約を交わしている。
  ・従来の市街地区・原野地区の十数路線を集約し、車道・歩道を含め全体で115.8キロメートルの路線を、税込みで7,717万円で羽幌町道路環境事業協同組合と契約。
  ・南2丁目通り、3丁目通りの路線延長0.2キロメートルは従来のとおり、契約額42万円。南4丁目通り甲、南2条仲通りの0.1キロメートルも同様に21万円で、(有)広栄重機と契約。
  ・天売地区の3.6キロメートルは175万円で、従来同様天売小型運輸と契約。
  ・焼尻地区の5.1キロメートルは178万円で焼尻小型運輸と契約。
  ・融雪剤の散布業務は89万円で、羽幌町道路環境事業協同組合と契約。
 以上のような説明を受けて、質疑を行った。

【質問】契約に係る単価の根拠は。
【回答】市街地区と原野地区を一括契約としたため、算定方法は統一した。機械の単価については、北海道単価を基本とし、羽幌町の実情を考慮し算定。稼働時間については過去3年間の平均で算出している。

【質問】降雪後に契約が交わされたとの話を聞いたが、その辺の実情は。
【回答】市街・原野地区については11月29日に契約締結。それ以前に降雪があったが、内部で設計の考え方などで整理が必要な部分があり、11月下旬となった。
【意見】理由は理解するが、それは町民はわからないこと。一部では業者内部で不手際もあったように聞いている。今後このようなことがないように願いたい。

【質問】稼働時間が想定を超えた場合は協議するとのことだが、逆に稼働時間が減った場合は。
【回答】ある一定以上の量を超えた場合、これは先ほどの3年間の実績により、最少の時間を下限とし、稼働時間が下限をさらに下回った場合に協議に入ることとなる。

【質問】羽幌町の降雪量は昨年と比較してどうか。
【回答】気象庁の情報では、積雪深については1月24日現在で、85センチ、平年は75センチ。累積降雪量については418センチ、平年は371センチ。

【質問】町民からは除排雪が行き届いていない、広い道路でも1車線しかあいていない、今年は排雪作業が少ないと苦情が出ているが、その辺の原因は。
【回答】作業基準は昨年と同様だが、作業開始時刻の関係や、降雪が10センチ以上との基準があるが、基準に満たない日が続いた場合への対応が不十分だったと思われる。今後業者と協議をしていく。

【質問】一日じゅう降る場合もある。その際には午前午後など、複数回除雪に対応するのか。組合になって非常に除排雪の数が少ないとの声が圧倒的。
【回答】回数が少ないとの件については、夜間終始降っているような場合で基準に達すれば出動となるが、そうではないケースで不満があったのではと思う。今後、事業者と検討したい。
【意見】住民の要望に少しでもこたえられるよう、組合と十分協議願いたい。

【質問】前回の委員会では、組合1者で契約との説明だったが、南2丁目通りなどは広栄重機との契約との説明、なぜか。
【回答】地域商店街等から、別個除排雪を行いたい旨の申請があり、従来よりこのような形式で行っていたため。

【質問】2路線だけ別とすることが、最良の方法なのか。他の地域も同様に行いたいとの要望が出てくるようになれば、組合設立の当初の目的から外れていく。次年度に向け検討すべき。
【回答】検討したい。

(3)簡易水道事業の維持管理について(平成24年 1月27日開催)
  〇担当課より資料に基づき説明を受ける。
  「天売焼尻簡易水道―導水管・送水管・配水管の布設状況」
  ・離島については、古い資料をすべて洗い出し調査を実施、図面化した。
  ・40年以上使用していると思われる路線を赤線、廃止路線は破線で表示。
  ・個別管路の一覧表、備考欄の「道道補償」となっている管路については、補償工事である程度更新されていることを把握。
  ・書類が見つかったもののみ掲載、不明な部分は図上でグレーで表示、赤線の部分にも更新済みの部分がある可能性がある。
  ・不明な部分については、実地を含めて調査を進めたい。
  ・市街地区についても着手しているが、規模が離島の10倍以上あり、調査期間のめどが立っていない。
  ・管の更新に係る長期計画については、これらの実態調査が終了次第検討していく。
 以上のような説明を受け、質疑を行った。

【質問】天売港のグレー部分で、冬期間に凍結した。管が浅くて凍結したと聞いているが、改善策はあるか。
【回答】解決策は、管を深くすること、または、除雪を頻繁にせず雪で断熱効果を持たせて凍結深度を浅くする方法がある。

【質問】今後どのようにしていくのか。
【回答】そこまで計画が立っていないが、管を深くすることを検討したい。
  「曙簡易水道について」
  ・生活館の裏の井戸については、水質が悪く、水量も不足している。
  ・対応策として、従来の曙簡水の井戸を流用することとした。
  ・流用に当たっては、簡水事業を廃止するよう北海道より指導があった。
  ・これまで休止で協議を進めてきたが、廃止では道道占有の水道管や現行の施設を撤去し、原状復帰する必要が出てきた。
  ・原状復帰に関する予算については、新年度以降の予算に計上予定。

【質問】撤去とは具体的にどこか。
【回答】既存施設で上屋の屋根や、ほかはすぐできないが埋めてしまう予定。

(4)港湾整備事業について(平成24年 2月10日開催)
  〇担当課より資料に基づき説明を受ける。
  「旅客上屋設計業務の進捗状況について」
  ・前回の平面図との比較では、点字ブロック配置が具体的に示されている。
  ・トイレの24時間開放に対応するため、直接外から出入りするための出入り口を配置した。
  ・2階から波浪状況を確認したいとの要望があり、会議室の高い位置に窓を設置し、階段状のタラップから離島の眺望がきくように変更した。
  ・駐車場については、バスの駐車スペースと開発局施行分の照明灯位置が決定されていないため、今後変更がある予定。
  ・舗装については、できる限り直轄で施行してもらえるよう進めている。

【質問】トイレの24時間化について、セキュリティー面の課題はすべて解決されているか。
【回答】火災警報機について協議中であるほか、建物一体で警備会社との契約となるため、費用分担についても検討中。

【質問】これまでなかった路線バスの乗り入れについて検討しているか。
【回答】課内協議では、ほっと号の路線延長で協議しているが結論には至っていない。
    沿岸バスとは、今後、話し合いを進めていきたい。
  「平成25年度以降の羽幌港整備計画(案)」・「福寿川仮設係留施設の整備」「羽幌港防砂さくの整備」について、一括説明を受ける。
  ・現在、漁協と沿海フェリーの意見を集約し、港湾審議会で審議・了承されれば平成25年度以降の整備要望として、開発局へ要望する予定。
  ・事業費は10億円規模で、管理者負担は3億円程度となる試算。
  ・福寿川の仮設係留施設の整備については、新船揚げ場が完成した時点で検討したい。
  ・防砂さくについては、現在、道地域づくり総合交付金で検討している。
【意見】福寿川の整備について、ある程度の時期を見て早急に計画してほしい。

【質問】事業者負担3億円の試算。1年1億円の原則からいくと、3年間かかる見通しか。
【回答】町の財政状況にもよる。
  「港湾上屋事業特別会計の設置について」
  ・港湾整備事業のうち、埋め立て事業並びに荷役機械、上屋、倉庫、貯木場等は特別会計の設置義務がある。公営企業の特別会計設置条例提案を3月議会に予定している。
  ・特別会計に移行する事項はフェリーターミナル等の上屋や、町が埋め立てた土地を利用することによる歳入、それらの建設や管理に必要な歳出を想定。
  「アクセス道路の関係について」
  ・11月29日・12月1日に漁協と沿海フェリーそれぞれに出向き、これまでの経緯の説明と意見を伺った。その後、2月6日に関係者である漁協・沿海フェリー・町内会代表と行政(町長・副町長)との懇談会を開催。その中で、関係住民にも説明が必要との意見から、今月中に6・7町内会の住民に説明する予定。
【意見】アクセス道路については、現状で指定し、今後いろいろな可能性を含めながら最良に近づくよう検討してほしい。

【質問】アクセス道路は決定していくが、ホテルからの歩道整備(現・砂利道)については具体的な整備内容が示されない。平成25年4月より供用開始、それに合わせて物事を進めていかなければならないと思う。
【回答】歩道に関しては試算しているが、すぐ着手できることにならず、できる部分を再度検討したい。

(5)その他
  ①農協―小麦乾燥施設への支援について
  〇担当課より資料に基づき説明を受ける。
  ・高齢化などの農業環境の変化、国の政策転換により麦・大豆の作付が増加。
  ・平成20年に一時保管庫を整備したが、乾燥調製貯蔵施設及びサイロを増強する必要がある。
  ・今回増強分は、乾燥機10トンを10基、500トンのサイロを6基を増強する。
  ・3町村で協議し国庫補助金の2分の1を補助することとした。
  ・各町村の負担割合は、一律配分と作付面積の要素配分により決定。
  ・事業費は6億3,789万円。
  ・国庫補助金2億9,100万円の2分の1となる1億4,550万円が3町村負担。
  ・面積が3町村で羽幌町が一番小さいため、負担率は最小。

【質問】羽幌町の負担額は、また財源は。
【回答】負担額は3,000万円弱、財源は過疎債を予定し、現在要望中。
  ②漁協―荷さばき施設及び事務所への支援について

  〇担当課より資料に基づき説明を受ける。
  ・事業費(消費税込み)は、荷さばき施設3億6,141万円。事務所は2億1,363万円。合わせて総事業費は5億7,504万円。この数字は概算の段階。
  ・国庫補助金対象は荷さばき施設のみで、3億4,420万円(消費税抜き)の2分の1に当たる1億7,210万円が補助される。
  ・事務所建設への支援については、漁協が4町村へ事業費2億346万円(消費税抜き)の3分の1相当の6,782万円を補助要請したが、不調に終わった。
  ・羽幌町では、荷さばき施設においては国庫補助対象残2分の1の8,600万円。事務所では事業費の約4分の1の5,000万円。合わせて1億3,600万円の支援を見込んでいる。
【意見】負担が多いが、漁協本所への建設地として経済効果や将来的な展望を考えるとやむを得ないと思う。
 以上のような質疑後、終了した。

 以上、総務産業常任委員会の所管事務調査報告といたします。

〇議長(室田憲作君) 次に、文教厚生常任委員会委員長、森淳君。

〇文教厚生常任委員会委員長(森  淳君)

平成24年 3月 6日 

羽幌町議会議長 室田 憲作 様

文教厚生常任委員会 委員長 森   淳 

所管事務調査報告書
 本委員会は、調査中の案件について下記のとおり調査を終了したので報告します。

1 委員会開催日           平成24年 1月30日
             平成24年 2月 9日
                          平成24年 2月16日
2 所管事務調査事項  (1)保育園建て替え事業について
            (2)社会教育関連施設の現況と課題について
            (3)産業廃棄物最終処分場の今後の対応について
            (4)介護保険計画について
            (5)羽幌町医療費助成制度の改正について
3 調査結果及び意見   別紙のとおり

所管事務調査報告
《1月30日開催》
1.保育園建て替え事業について
 昨年12月、学校法人泉学園から町へ、認定こども園開設についての申し出があったことを受け、急遽、委員会を開催した。
 まず、副町長から保育園建て替えについて、当初振興計画では平成23年度としていたが、国の具体的方針が見えないこと、町の財政状況などから実現していなかったものの、昨年7月に子育て支援システムの中間報告が出て、国の方向がある程度見えてきたことから、現在児童福祉施設検討委員会に就学前施設のあり方に関して、町の考えを示し、意見をいただくこととしているとの概要説明があった。
 こうした中で、泉学園からの通知を受け、可能であれば民間への考えも以前からあり、加えて早期に保育関係を整備したいことから、これを機会に民間活用を進めるタイミングと考え、今後泉学園と協議の上、実施に向けて取り組んでいきたいとの考えが示された。
 続いて担当課から、これまでの児童福祉施設検討委員会での協議経過、保育所や幼稚園の定員、入所児童数、将来の就学前児童数、保育所に係る運営経費などについて説明を受けた後、質疑を行った。
 また、審議の途中で、泉学園側から認定こども園の計画担当に、参考人として出席をしてもらい、施設の開園時期や規模、定員や職員の見込み数などの説明を受けた。

【質問】泉学園からは、いつ、どのような形式で申し出があったのか。
【回答】昨年12月12日、文書で提出された。一体的な教育と保育サービスが可能で、子育て支援機能も兼ね備える、幼保連携型認定こども園として、開設予定はこの当時26年4月となっていた。

【質問】検討委員会でも、認定こども園の話が急に出てきて驚いていると聞いている。町立保育園を今後どうするのかが検討課題となると思うが、これからのスケジュールをどう考えているのか。
【回答】泉学園の計画決定前に検討委員会答申を見て、町の方針を決定したい。常任委員会や議会もあるので、できれば2月下旬から3月上旬に答申をいただければと考えている。

【質問】40年以上続けてきている町の保育事業を、この1~2カ月で決めてしまうのは無理があるのではないか。先日視察した遠別町では、父母との話し合いなどに、かなりの時間をかけたようだ。早急過ぎては、町民の理解を得られないのではないか。
【回答】理解してもらえるよう、説明したいと考えている。

【質問】町立保育園廃止とした場合、実弟である町長が、実兄の行う事業者へ町の保育事業を任せることとなるが、法令法規上、あるいは政治倫理上どうなのか、町の見解はどうか。
【回答】あくまで泉学園という学校法人が、みずからの方針として認可を受けて実施する業務であり、自由に法人が実施する分には問題ないと整理している。

【質問】これまでの審議からの急な方向転換で、経緯や必要性が理解し切れない。検討委員会でも、どう審議されるのか公開するべきと考えるが、どうか。
【回答】検討委員会で諮ってもらい、合意が得られれば公開したい。

【質問】検討委員会の委員には、泉学園関係者や町長の部下となる町職員が入っているが、不信感を持たれる。学識経験者や町民代表も含めるなどの見直しが必要ではないか。
【回答】検討委員会の入れかえについては検討させていただきたい。町職員や関係者にはおりていただくこともあり得るが、一から組織し直すことは難しい。
 以上のような質疑を行い、さらに問題点を整理して、次回以降に続けることを確認した。

《2月9日開催》
1.社会教育関連施設の現況と課題について
 担当課から管理している施設全般について、課題や今後の方針の説明を受けた。
・旧児童会館、武道館、郷土資料館、収蔵庫、焼尻郷土館については、老朽化も激しく、耐震化も未整備であるなど、住民からの要望もあって、比較的優先度・緊急度が高く、問題解決が必要と考えている。
・スポーツ公園では、野球場、陸上競技場、サッカー場など、ほぼすべての施設が老朽化し、競技実施に適さない状態も見られ、25年度に長寿命化計画の策定を予定している。
・総合体育館では、24年度に屋根の改修を行う。
 こうした説明を受け、質疑を行った。

【質問】図書館は狭く、不便である。別個に整備を考えているのか。
【回答】児童館の建て替えとなれば、図書室機能を充実させていきたいと考えているが、今のところは未検討である。

【質問】図書館の場所としては町なかにあってもよいのではないか。まちづくりの観点から、使っていない建物の再利用や、デイサービス、学校、保育所などとの併設、複合施設についても、総合的に考えてほしい。
【回答】担当課としては、社会教育施設は集約させた方向で考えたい。

【質問】スポーツ公園の長寿命化計画策定で、どの程度の補助事業が可能となるのか。
【回答】総事業費の半分が補助対象となる。町の財源問題もあるので、一気に改修は難しいだろう。

【質問】長寿命化計画で検討委員会の設置などは考えているのか。
【回答】計画を立てる前段で、現況の確認調査を行い、ある程度の計画ができれば設置への検討もされるだろう。
 以上のような質疑を行い、雪解け以降には現地調査を行うことも確認し、終了した。

2.産業廃棄物最終処分場の今後の対応について
 担当課から、道留萌振興局からの改善指導を受けての事後対応や今後の対応について説明を受けた。
・最終処分場の閉鎖に向けて、第3築堤の造成と転圧など、一連の工事を5月以降に実施する。
・運営委員会の積立金600万円と関係団体からの支援金を合わせて、総事業費の半分840万円を確保したが、残る半分の不足額についての財政支援要請を受け、支援する予定である。
・工事で埋め立ての計画高水準まで戻せない場合は、超過分を施設外へ搬出しなければならず、さらに財源措置が必要となる。
・今後は最終処分場の代替候補地の選定と中間処理施設誘致の検討を考えている。
 以上のような説明を受け、質疑を行った。

【質問】工事完成までの期限、計画高を超過した場合の新たな財政支援は、どうなるのか。
【回答】できるだけ速やかに、事業者の工期見積もりでは約2カ月をめどにしている。計画高水準まで下げることは難しいとの判断を振興局ではしており、超過分が出てくる可能性はある。

【質問】汚水が出ているなどの実害がないのであれば、計画の認可変更で対応できないのか。
【回答】最初に振興局に確認しているが、計画変更の追認は現在の法律上できないとの回答である。

【質問】今後、町外への搬出となると、どの程度の負担増となるのか、業者への聞き取りなどをしているのか。
【回答】解体工事の場合では廃棄物の処理費と運搬費で考えられ、運搬費で約2割増しと見られている。

【質問】最終処分場閉鎖によるデメリットを中間処理施設設置で、どのように解消されるのか。
【回答】町内に多種の中間処理施設を誘致できれば、一般事業者にとってはそれほど支障はないだろうが、最終的には最終処分場に一部持ち込むことにより、その分の運搬費用コストにはね返ってくることになる。
 以上のような質疑を行い、今後、最終処分場への直接搬入と中間処理施設を経由した場合の、町民・業者負担の比較、遠別町と留萌市の処分場の状況なども把握し、最終処分場設置の可否や中間処理施設誘致に向けた具体策などを協議していくことを確認し、終了した。

《2月16日開催》
1.保育園建て替え事業について
 前回に引き続き、まず副町長から、今なぜ保育業務を民間に担ってもらうのかについて、今後の児童数の推移、町の財政状況、早期建て替えの要望などから、これを機会にできればよりよい環境で教育保育環境の整備を進めたいと考えたとの説明があり、民間への移行となった場合には、十分に保護者に説明し、理解を求めながら検討と対応を行うとの説明もあった。
 続いて、担当課から、町長が児童福祉施設検討委員会に諮問した経緯、その答申が出される前に情報が公開されると、外部からの圧力や干渉等を受けることとなり、委員の率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることなどから、答申される前の段階での情報公開はしないとする考えが示された。また、検討委員会の委員に町職員が含まれていることについて、この諮問に関しては出席させないこととしたと説明した。保育所の建設費と運営費に関しても、公立と私立の場合の試算を対比させて説明を受けた後、質疑を行った。

【質問】検討委員会に泉学園当事者が含まれている。利害が絡む案件のときでは不信感が持たれるのではないか。
【回答】支障がある場合は、退席の上協議する状況になっている。

【質問】前回の委員会で、町は3月中にも決定したいということだったが、答申提出の期限は設けていないということでよいか。
【回答】検討委員会内で意見がまとまってからの答申で、時期についてはできるなら早いほうがよいとの希望は伝えた。まとまらなければ、答申時期は延びていくと考える。

【質問】検討委員会での審議経過を公開しないとするのは、さらに大きな誤解を招く事態となる。多くの町民が注目している問題でもあるので、公開するのが筋ではないのか。
【回答】審議途中での公開はしないが、答申が出された後には、議事録関係書類は公開対象になると考えている。
 質疑では、情報の公開をめぐって、情報公開条例の規定上では原則公開なのかどうかで議論が続き、さらに非公開とした場合には検討委員に守秘義務が発生するかどうかでも判断できず、回答は後日への持ち越しとなった。また、この日は他の議題もあったため、保育事業のあり方や民間移行への課題まで及ばず、審議を打ち切った。

2.介護保険計画について
 担当課から、次年度から始まる第5期高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画についての原案説明を受けた。
・この計画は、24年度から26年度までの3カ年の事業計画である。
・要介護認定者は、24年588名、25年629名、26年672名と、増加を見込んで計画した。
・はいかい高齢者SOSネットワークについて、住民からの意見も寄せられており、24年度から新体制で取り組みたい。
・1号被保険者の保険料月額(基準額)は、3,950円となる。
 以上のような説明を受け、質疑を行った。

【質問】特養入所者が入院した場合、条例では「入所を取り消すことができる」とあるが、退院後は戻ることはできないのか。
【回答】制度上、入院の場合は退所となる。退院後、施設にあきがなければ待機状態になり、緊急避難的にショートステイを利用されるか、別の施設に一時入所して羽幌のあきを待つこととなる。

【質問】経口摂取ができず、胃瘻処置が必要な人は、しあわせ荘の入所を制限しているらしいが、もっと対応できないのか。
【回答】看護師の体制にもよると思うが、しあわせ荘と協議する。

【質問】デイサービス利用でも待機者がいると聞いたが、対策はあるのか。
【回答】サービス事業者の誘致も難しく、現在の施設サービスの現状から定員をふやすことは難しいと判断している。

3.羽幌町医療費助成制度の改正について
 担当課から、これまでの道基準に沿って交付してきた重度・ひとり親・乳幼児医療費で、24年4月からは、町単独事業として受給者資格助成額を拡大し、小学生以下の保険対象医療費を全額助成とすべく、3月議会で提案予定であることが説明され、以下、質疑を行った。

【質問】これによる予算措置は、どれくらいか。
【回答】重度・ひとり親の分で41万円、乳幼児分で503万円を予定している。

【質問】給付方法は、どうなるのか。
【回答】現在、管内の医療機関では現物給付だが、今回の部分については本人からの申請が必要となるが、償還払いで行いたい。

【質問】今後、現物給付に変えていく方向で考えているのか。
【回答】事務を進めてみて、どの程度の事務量になるのか、また受益者からの要望があれば考えていくことになるが、今すぐの現物給付は難しい。
 以上のような質疑を行い、終了した。
 以上、文教厚生常任委員会の所管事務調査報告といたします。

〇議長(室田憲作君) これで諸般の報告を終わります。

 暫時休憩いたします。

休憩 午前10時46分
再開 午前10時55分

〇議長(室田憲作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

    ◎町政執行方針
〇議長(室田憲作君) 日程第4、町政執行方針を行います。
 町長から町政執行方針の申し出がありますので、これを許します。
 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 平成24年第1回羽幌町議会定例会の開会に当たり、24年度の町政執行に対する所信を申し上げ、町議会並びに町民皆様のご理解、ご協力をお願いするものであります。
 私が、町民の皆様から町政を負託され4期14年目となりますが、就任以来、町民との直接対話を重視し、その中から施策の方向を考え、実行するというスローガンのもと、「心と心をつなぐハートコミュニケーションはぼろ」を町の将来像として定め、「町民協働」によるまちづくりを進めておりますが、その考え方は、現在も全く変わっておりません。
 24年度においてもこの考え方で、時代の変化に柔軟に対応しながら山積みする課題に取り組み、新たに策定いたしました「第6次羽幌町総合振興計画(ほっとプラン)」に基づき、町政を運営してまいります。
 昨年は、東日本大震災や台風、集中豪雨などによる災害を初め、海外においてもニュージーランドやトルコの大地震など世界規模で災害が勃発し、大きな自然災害に翻弄された1年でありました。
 改めて被災されました皆様に対し、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 さて、我が国の経済は、円高、デフレが進行し、さらには、東日本大震災の影響により景気の低迷感がぬぐえない状況が続いており、依然として雇用情勢や地域にもその影響を及ぼしております。
 また、先進国の危機的財政状況などに見られる海外景気動向により、為替レート・株価の変動等による我が国への影響が懸念されており、世界経済の不確実性が増大する中、予断を許さない状況と推察しております。
 我々自治体を取り巻く環境は、財政面、行政サービス面においても地域間格差がますます拡大しており、高齢化・人口減少などの諸問題も、以前にも増して厳しい状況にある一方、TPP(環太平洋経済連携協定)問題など、地方だけではなく国の根幹を揺るがしかねないおそれがあるものもあり、今後、政府の対応を注視していく必要があります。
 昨年4月には、「国と地方の協議の場に関する法律」など地域主権改革の関連法案が成立し、今後、「社会保障と税の一体改革」など地方自治に関する諸課題が協議される見込みです。
 国は、これら改革の推進について、国と地方のあり方を根本的に転換し、「地域のことは地域に住む住民が責任を持って決められるようにする」ためのものとしており、住民の身近な存在である我々基礎自治体の責務が、今後ますます重要であるとの思いを改めて認識しております。
 このような中、我が町の指針とも言える「羽幌町総合振興計画(ほっとプラン21)」が23年度で終了しますことから、このたび「第6次羽幌町総合振興計画(ほっとプラン)」を策定いたしました。
 新たな総合振興計画では、私が町長となり初めて策定しました「振興計画ほっとプラン21」での基本理念「心と心をつなぐハートコミュニケーションはぼろ」を町の将来像とし、「町民協働」によるまちづくりを進めていく考え方を踏襲いたしております。
 事業の実施に当たっては、「自立と共生へのまちづくり計画(自立プラン)」や、財政の健全化を念頭に置きながら、私の念願であります「元気なまちづくり」「暮らしやすいまちづくり」「安心安全なまちづくり」に向け、町政執行に取り組む考えであり、町民の皆様からもいただきましたご意見を踏まえ、今後10年間におけるまちづくりの課題として、「医療体制の充実」「雇用の創出」「産業の振興」の3つを「重点課題」として位置づけ、取り組みを進めてまいります。
 また、我が町の貴重な財産でもある「天売島・焼尻島」は、他の離島同様に、人口減少や高齢化の進行、産業の衰退化が著しく、急速に地域の活力が失われている状況にあり、国においても24年度で失効する離島振興法を拡充、強化し、改正、延長するための論議を超党派で進められています。
 このような背景から、将来における島のあり方や、地域の活力再生に向けた議論をすべきときが来ていると考えますことから、新たに「羽幌町離島振興計画」の策定に取り組みます。
 策定に当たっては、離島地区はもとより、市街地区の住民の皆様方のご協力をいただき、「第6次羽幌町総合振興計画(ほっとプラン)」との整合性を図りながら、取り進めてまいります。
 本年は、中部3町村で建設を進めております広域火葬場が完成し、供用を開始いたします。
 公営住宅では、昨年に引き続き、幸町団地2棟4戸を建て替え整備いたします。
 長年の懸案でありました、羽幌港中央埠頭の整備完了に伴う「新フェリーターミナル」の移転改築に本年度着手し、25年4月の供用開始を目指します。
 また、4月からは、子育て支援の拡充を図るため、小学生までの医療費を無償化いたします。
 厳しい財政事情ではありますが、将来を見据えた事業着手を行い、後世へのまちづくりにつなげていく必要があります。
 以上のことを踏まえ、24年度の町政執行に当たりましては、「第6次羽幌町総合振興計画(ほっとプラン)」に基本目標として設定した
●「地域の自然が育む豊かなまち」
●「誰もが居場所と生きがいを持って暮らせるまち」
●「安心で魅力的な田舎暮らしができるまち」
の、3本柱を基本に、議会並びに町民皆様のご理解、ご協力を得ながら職員と一丸となって町政を執行してまいりたいと考えておりますので、各位におかれましては、特段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 以下、これらの基本目標達成のため、24年度の主な施策について申し上げます。
 1つ目に、地域の自然が育む豊かなまちであります。
 最初に、自然環境の保全並びに海鳥の保護対策について申し上げます。
 本町は、雄大で希少な自然環境に恵まれ、その恩恵は多くの町民が享受しているところであります。
 このかけがえのない自然を後世の子供たちに残すために、「羽幌町環境保全条例」や「羽幌町の環境を守る基本計画」の趣旨にのっとり、環境に優しいまちづくりを進めてまいります。
 また、役場といたしましても21年度に策定した「地球温暖化対策実行計画」に基づき、事務事業で発生するCO2削減に向け、「各種施設の照明時間の短縮」「公用車の燃料費削減」など細かな省エネの取り組みを励行し、引き続き環境に配慮した事務事業の遂行に努めてまいります。
 海鳥保護に関しましては、北海道海鳥センターを中心に、館内展示の充実などリピーターを飽きさせない施設づくりや、自然観察会を初め自然環境への興味と関心を広げる活動を進めるなど、引き続き普及・啓発活動を進めてまいります。あわせて、ジュニアレンジャーや中学生・高校生のエコクラブ活動など、次代を担う子供たちの育成に努めてまいります。
 また、町民有志による環境保護活動を支援し、子供から大人まで、地域の自然と親しみ、自然を知り、自然を守る活動を推進してまいります。
 昨年の天売島における海鳥繁殖状況でありますが、オロロン鳥は、実に3年ぶりに7羽のひなの巣立ちが確認され、環境省を初めとした関係機関各位の熱心な保護活動のたまものと敬意を表し、大変喜ばしく思っているところであります。保護・増殖活動が今後も順調に推移し、繁殖数が増加することを期待しているところであります。
 また、近年ウミネコやウミウの繁殖数が激減している一因として、野猫の増加による捕食圧の増大が影響しているとの有識者らの指摘があり、住民生活への被害などの悪影響もあることから、猫に関する何らかの対策が求められておりました。
 このため、「天売島ネコ飼養条例」を制定し、環境省、北海道及び関係団体等との連携・協力のもと、「人とネコと海鳥の共生」を理念とした天売島独自の海鳥保護対策を講じてまいります。
 2つ目に、誰もが居場所と生きがいを持って暮らせるまちであります。
 最初に、地域医療体制の整備について申し上げます。
 道立羽幌病院の診療体制は、多くの診療科目を出張医師及び派遣医師に頼っておりますことから、地域住民の不安は大きいものがあります。また、天売・焼尻診療所における医師及び診療体制の確保に対する島民の不安も、さらに大きなものとなっています。この不安を少しでも解消するため、引き続き常勤医師の確保や、医療機能の充実強化に向けて、関係町村及び議会医療問題調査研究特別委員会と連携しながら、関係機関に強く要請を続けてまいります。
 また、道立の病院や診療所に勤務する医師に対し、研究資金等の貸し付けや住環境を整備する体制を整え、支援を継続してまいりますとともに、民間による組織「地域医療を守る会」の活動を支援してまいります。
 妊産婦に対しては、必要とされる回数分の健診費用の助成と、離島地区の妊産婦に対する交通費及び宿泊費の一部助成を引き続き行ってまいります。
 また、救急搬送に大きな効果をもたらしているドクターヘリの活用の円滑化を図るため、道立羽幌病院横に簡易へリポートを整備し、有効活用を促進してまいります。
 次に、保健事業について申し上げます。
 本町においては、高血圧・糖尿病などの生活習慣病の増加や、メタボリックシンドローム予備軍が多く見られる状況にあり、これらを予防するためには、自分の健康状態を正しく知ることが大切であることから、出前講座や広報などにより、健康や生活習慣改善に対する意識の高揚を図るとともに、生活習慣病の予防と重症化防止に向け、特定保健指導を初めとした健康教育に関する教室などの事業の充実に努めてまいります。
 また、特定健診の未受診者対策として、電話による受診勧奨及び勧奨結果の分析や、アンケート送付と実態調査の集計による現状の把握に努め、より一層受診しやすい体制の整備を図ってまいります。
 さらに、特定健康診査等実施計画(25年~29年度)の次期計画策定年でありますことから、地域の実態を考慮した計画の策定に努めてまいります。
 婦人科検診の受診機会の確保や、子宮頸がん予防ワクチンの接種促進のための費用負担を継続して行い、また、乳幼児への対策として、ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの接種費用の全額助成、高齢者対策として、肺炎球菌ワクチンの接種費用の一部助成を継続してまいります。
 予防活動の果たす役割は、町民だれもが生涯にわたり心身ともに健康で自立した生活を送ることにあります。これからも、各種保健事業を通して、また、関係機関と連携して、町民の皆様の生涯を通じた健康づくりを積極的に推進してまいります。
 次に、高齢者福祉の充実について申し上げます。
 本町の65歳以上の人口は、35.6%となり、少子高齢化が一段と進んでおります。
 24年度から新たにスタートする第5期「高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画(24年度~26年度)」で掲げる理念のもと、民生委員、町内会、ボランティアなど、地域住民のご協力とご支援をいただきながら、高齢者の皆様の自立と社会参加の支えとなる「生活支援事業」や「生きがい対策事業」を継続的に進めるとともに、老人クラブや高齢者事業団を初めとする、高齢者の自主的な活動を支援してまいります。
 また、社会福祉協議会やボランティアセンターには、高齢者を初めとする多くの福祉事業を担っていただいておりますことから、24年度においても財政措置等を行い、組織の充実と自主的運営を助長してまいります。
 特別養護老人ホーム「しあわせ荘」につきましては、23年9月をもって外構工事を含むすべてが完成し、木造による木のぬくもりを生かした「光あふれ、健康で快適に楽しく、生きがいを持って暮らせる施設」として、生まれ変わりました。施設の運営は、18年度から指定管理者制度を導入しておりますが、指定管理者との連携を密にし、職員の研修や研さんを求めるなど、施設の効果的運用と利用者のニーズに対するきめ細かで質の高いサービス提供を行ってまいります。
 介護保険事業につきましては、第5期計画のもと、確実に事業を展開するとともに、サービス利用の現状を適切に把握し、介護給付費の適正な給付に努めてまいります。
 また、地域包括支援センターを核として、介護予防サービス事業を初め、介護・医療・福祉サービスを総合的に提供するとともに、要介護認定者や介護サービス利用者に対しましては、居宅介護支援事業者との連携を深め、利用者のニーズに対応した適正なケアプランづくりと、サービス事業の提供に努めてまいります。
 さらに、65歳以上の夫婦世帯やひとり暮らし世帯が増加していることから、家族との連携や在宅サービスの利用など、成年後見人制度の啓発・普及を含めて、相談窓口として支援をしてまいります。
 非常に残念な結果となりましたが、23年12月に高齢者の徘回による死亡事故が発生いたしました。これまでも徘回による行方不明者の捜索については、「羽幌町はいかい高齢者SOSネットワーク」を通じて、組織的に対応してまいりましたが、厳冬期で、かつ日没も早いという事態に対応し、一刻も早く行方不明者を発見できる体制を改めてつくり、町民の皆様に周知の上、ご協力を賜りたく進めてまいります。
 介護保険事業で要介護認定までに至らなかったものの、認定に準ずるような方々の日常生活の見守りや高齢者虐待防止、災害発生時における救済など、町内会・警察署・消防署を初めとする関係機関・団体等の連携を深め、高齢者に対する支援体制づくりを進めてまいります。
 次に、障がい者福祉について申し上げます。
 障がい福祉サービス制度は、現在、障害者自立支援法に基づき実施しているところでありますが、国は今後、25年度までに、利用者の応能負担を基本とし、障がい種別の谷間や制度の空白の解消を図る「障害者総合福祉法(仮称)」の施行を目指しております。23年度には、その見直すまでの間において、障がい者及び障がい児の地域生活を支援するための法改正が行われ、この法改正により、利用者負担や障がい者の範囲等の見直しが行われたところであります。
 「はぼろ障がい者福祉計画」の基本理念である“障がいのある人もない人も共に生き生きと生活できるまちづくり”を念頭に置き、地域の中で必要な障がい福祉サービスが受けられるよう、地域住民や関係機関、団体等のご理解とご協力を得ながら、支援を進めてまいります。
 次に、児童福祉について申し上げます。
 子供や家族を取り巻く環境は、核家族化の進行や女性の社会進出・生活様式の多様化など、大きく変化しております。
 本町においては、次世代育成支援対策法に基づく「はぼろ次世代育成支援後期行動計画(22年度~26年度)」により、社会全体で子育てを支え、生活と仕事と子育てすべてを応援し、だれもが希望する幼児教育と保育サービスが受けられるように取り組みを進めてまいります。
 乳幼児等医療費については、受給者資格要件であった所得制限を廃し、本年4月1日診察分より小学生以下全員の医療費負担額を無償化し、次世代育成の充実を図ってまいります。
 近年、児童虐待など児童を取り巻くさまざまな問題が増加しておりますが、育児相談や育児教室などの充実を図ることにより、育児に対する不安や悩みを解消できる環境を整備し、また、要保護児童対策地域協議会を活用して虐待防止と早期発見、迅速で的確な対応を図ってまいります。
 保育所の改築につきましては、国が2013年度から実施を目指している「幼稚園と保育園に分かれていた就学前児童に対する教育と保育の一体化」を柱とした、包括的な子育て支援改革の方向性が示されております。これらの状況を踏まえ、すべての子供の健やかな育ちを実現するために、本町にとって最善の方法を検討し、早期実現に向け取り組んでまいります。
 次に、国民健康保険事業について申し上げます。
 本町の国民健康保険事業は、町民の約3割が加入しておりますが、少子高齢化の進行、雇用基盤の変化、経済の低迷、医療の高度化等により、医療保険財政は厳しい状況が続いております。
 昨年は、社会保障・税一体改革の推進など、国民健康保険制度をめぐる状況が大きく変化しました。今後は、取りまとめられる社会保障・税一体改革大綱に沿って、さまざまな改革が実施されていくと思われますが、国保の運営や財政への影響を見ながら必要な対応を進めていかなければならないと考えております。
 国保を取り巻く状況は、大きく変化しておりますが、国保制度が町民の健康を守るという役割を十分に果たすことができるよう、関係機関と連携を図りながら取り組んでまいります。
 次に、姉妹都市「石川県内灘町」との交流について申し上げます。
 昭和55年10月に本町と石川県内灘町が姉妹都市の提携を交わしてから本年で32年を迎えます。
 これまで、行政や民間団体等はもとより、文化・スポーツの面においても広範囲にわたり交流活動が行われてまいりましたが、時代や人の移り変わりなどもありますことから、本交流の経緯や必要性を後世へ末永く伝える必要があります。
 本年は、内灘町にて開催される「内灘町民夏まつり」への出店参加により、広く本町の特産品の紹介や、本町の知名度アップにつながる取り組みを行い、姉妹都市としてのきずなを糧に、将来にわたる波及効果も模索しながら継続した交流となるよう努めてまいります。
 次に、広報・広聴について申し上げます。
 町民と協働のまちづくりを推進するためには、広報広聴活動の充実による情報の共有化が重要であると考えております。
 「広報はぼろ」や、4月からリニューアルします「町ホームページ」を活用し、「見やすい」「読みやすい」そして「解りやすく利用しやすい」情報の提供に努めてまいります。なお、町ホームページの閲覧に当たっては、どなたでもごらんいただけるよう、役場1階ロビー及び公民館図書室に「専用パソコン」を設置しましたので、ご気軽にご利用いただきたいと考えております。
 また、地域の問題、情報を的確に素早く把握するため、職員による「地域情報連絡員制度」の活用を図り、行政からの情報を積極的に伝えるとともに、「まちの声」を行政に反映させていきます。
 一方、直接住民の声を聞くために、各層ごとの町政懇談会として「いきいきふれあいトーク」等を開催し、町民との対話を進めていくとともに、町民皆様のアイデアや意見をまちづくりに生かすための「町民提案制度」の普及を図り、住民組織である「まちづくりはぼろ」など町民が町政に積極的に参画できる体制の整備を図りながら、行政と町民が協力し合う協働のまちづくりを進めてまいります。
 次に、人づくり事業について申し上げます。
 「まちづくり」は「人づくり」という基本理念のもと、本町の将来に向けた人材育成のための事業に取り組む個人、団体に対し、人づくり事業基金を活用し、費用の一部を助成いたします。
 この事業は、地域づくりリーダーの育成や地場産業の振興、国際化や地域活性化など幅広く対応できますが、事業推進に当たっては、審査・決定機関であります住民組織の「人づくり委員会」のご協力をいただきながら、人づくり基金の効果的活用による、羽幌の未来を担う人材育成を積極的に進めてまいります。
 なお、昨年4月から補助率の増加を行っておりますが、今後においても広報・ホームページや関係団体等への周知を含め、利用促進に努めてまいります。
 次に、行政サービスの向上について申し上げます。
 行政サービスコーナーは、住民ニーズにこたえ、行政サービスの向上を図ることを目的に開設したものでありますが、主となる窓口業務の取り扱い件数の減少から、運営の見直しが求められているところであります。現在、「まちづくり政策会議」等で協議を進めており、官民が一体となった情報発信基地としてリニューアルする方向で、その可能性を検討してまいります。
 また、総合窓口においても、住民の利便性の向上とワンストップ・サービスの実現を図るため、一般旅券(パスポート)の発給申請受理・交付に関する事務を24年4月から開始することといたしました。
 道から市町村への権限移譲により実施するもので、23年度までに88市町村に権限が移譲され、24年度中に101市町村に拡大されることとなりました。本町においても住民ニーズにこたえるべく実施に踏み切るもので、住民負担の軽減と行政サービスの一層の向上を目指してまいります。
 次に、情報通信基盤施設の運用について申し上げます。
 離島地区情報通信基盤施設(ひかりネットワーク)が本格運用され、4月で1年を迎えます。
 この間、災害その他の緊急情報や行政に関する情報、漁協やフェリーに関する情報、健康相談等住民福祉に関する情報や、離島支所ごとからの情報提供も活発に利用され、離島地区における情報格差の解消はもとより、IP告知システムによる島民の福祉の向上と安心安全の確保に努めてきております。
 今後も、運用内容の充実を図り、施設の適正な維持管理に努めてまいります。
 次に、広域行政の推進について申し上げます。
 平成の合併協議を経て市町村合併が進まない地域事情のもと、活力ある社会を持続していくためには、行政経費の軽減や業務の効率化を図ることが急務となっています。
 こうした現状認識のもと、本町を含む留萌管内7町村により22年4月から「留萌地域電算共同化推進協議会」を組織し、広域連携の新たな仕組みづくりの基盤となるものとして、業務の広域連携に先行し電算共同化に取り組んでおります。
 本町は、昨年度、構成町村のトップを切って、増毛町との電算共同化となる「次期システム」を導入し、今後、年次ごとに導入される他町村の次期システム導入による共同化を図りながら、27年を目標に管内同一での電算共同化である「自治体クラウド連携方式(将来システム)」導入移行に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、これらと並行して、業務の広域連携についても検討を進めておりますが、当面は、国保・介護業務を中心に取り組んでおり、広域連携の実現に向け協議を進めてまいります。
 3つ目に、安心で魅力的な田舎暮らしができるまちであります。
 最初に、農業の振興について申し上げます。
 農業を取り巻く環境は、国内外での価格競争が一段と進む中、農畜産物の価格は依然として低迷を続けており、このため、農家戸数の減少、後継者の不足、就農者の高齢化といった生産構造の脆弱化や活力低下も懸念されるなど深刻な状況となっております。
 また、新たに政府のTPPへの協議参加表明など深刻な状況に拍車をかけるのではと懸念をしているところです。
 国では、食料自給率の向上を図るため農政の大転換を進めており、23年度より本格実施された「農業者戸別所得補償制度」により販売農家への直接支払いがスタートし、2年目となる本年も制度の安定的な進展・発展を願っているところです。
 農業後継者対策といたしまして、23年度より就農のための農地拡大に対し支援を行う町独自の新たな制度を創設いたしましたが、さらに、後継者対策について関係各機関とともに検討していきたいと考えております。
 「中山間地域直接支払事業」は、22年度より第3期対策がスタートし、今後も国・道補助事業に継続して取り組んでまいります。
 昨年は、3年ぶりに米が豊作となり実りの秋となりましたが、22年に広範囲で発生した「いもち病」については、複数年での対策が必要とのことから発生を抑えるのに効果的と言われる予防防除に対し、本年も助成をしてまいります。
 17年度から試験栽培を始め、7年目となる「ビルベリー」につきましては、23年度につきましても、引き続きサンプル数を確保するため、新たな発芽試験を進めるなど、農業試験所圃場での育成試験を引き続き行ってまいります。
 今後も予想される国の構造改革等に対して、効果や将来性を見きわめつつ、地域実態に即した農業振興を展開したいと考えております。
 林業の振興につきましては、世界各地で頻発する異常気象による自然災害を防ぐためにも、我々を取り巻く環境、特に森林の役割の重要性について認識されているところであります。自然林の保護、人工林の計画的な整備については、防災面はもとより、農業・漁業など他の産業にも影響があり健全な環境の形成に不可欠とされています。
 本町の森林整備につきましては、10年計画で進めておりますが、24年度から新たな計画を策定し進めることになります。森林の区域ごとの望ましい姿や整備及び保全を図るため、国や北海道の基本方針をもとに森林整備計画を定め、町財産であります町有林につきましては、災害を未然に防ぎ、さらに良質な木材を生産すべく計画的に除間伐等を行い、適正な維持管理と整備を進めてまいります。
 また、民有林につきましても、森林整備地域活動交付金などの補助制度の活用に加え、町独自の助成をしながら地域森林の振興に努めてまいります。
 エゾシカなど有害鳥獣に対する取り組みにつきましては、農家の皆さんが電気牧さくの設置や爆音器などによる侵入対策を実施しておりますが、一頭でも数を減らすために捕獲の実施が求められており、新たなハンター育成への免許取得の補助制度の周知・有効活用を図ってまいります。
 また、アライグマによる被害が拡大していることから、羽幌町鳥獣被害防止協議会において関係機関、団体と連携して箱わなの積極的な活用を図り、さらに、個体数調整、被害防止に向けた取り組みを実践するよう努めてまいります。
 農業・農村整備につきましては、過疎化・高齢化などの進行に伴い、集落機能の低下による農地・農業用水等の資源管理が困難になってきております。19年度から始まりました農地・水・環境保全向上対策は、名称を変え「農地・水保全管理支払交付金」となりますが、引き続き農村基盤の保全、農村環境の美化などを行う共同活動組織の支援を行い、計画的な修繕による施設管理の推進などさらなる質的向上に取り組んでまいります。
 また、羽幌二股ダム、羽幌ダムなどの農業水利施設につきまして、老朽化による改修等が必要な箇所については、国、道との連携により適切な管理による適正な改修を行い、地域農業の生産性の安定と向上に資するよう対策を進めてまいります。
 畜産振興につきましては、草地改良、造成事業による安全で高品質な牛乳の安定的生産体制の確立を目指すとともに、酪農ヘルパーの活用への助成などゆとりある酪農経営に向けた対策を推進してまいります。
 焼尻めん羊牧場につきましては、20年度から導入した指定管理者制度により新たな市場の開拓など、ブランド肉としてさらに魅力アップを図るとともに、良質な牧草を確保するためモアコンディショナーを更新します。
 また、乾草舎を体験型観光の場として活用を図るなど焼尻島を訪れる人々に喜ばれるよう、指定管理者とともに知恵を出し合い取り組んでまいります。
 地籍調査については、11年度から25カ年計画により実施中であり、23年度現在で築別の一部・汐見・川北地区・川南市街地、栄町、寿町を完了し、現在、字中央の一部及び字朝日を調査中であります。今後とも土地の地目、面積、権利等を明らかにして地籍の明確化を図り、土地の基礎資料の構築による課税の公平化、紛争の防止、その他多目的に調査成果を活用してまいります。
 次に、水産業の振興について申し上げます。
 北るもい漁業協同組合は、23年も漁獲計画額を達成し順調に運営されておりますが、国内経済は、デフレによる魚価安が想定され、今まで同様に厳しい運営が予想されます。
 漁村の6次産業化等による産地の水産業強化に取り組むための組織である「おらのまち産地協議会」が設立され、広域合併した本所機能の充実や狭隘化した荷さばき施設の作業効率を図るための施設整備が予定され、町として支援を行ってまいります。
 漁業の後継者育成、新規就業者対策については、船舶免許取得や漁業機器等の購入に助成をしてまいります。
 また、日本海沿岸に来遊するトド等による漁業被害対策として、被害を受けた漁業者に貸与する刺し網購入費の支援を引き続き行ってまいります。
 天売・焼尻地区におきましては、22年度から第2次計画に入った「離島漁業再生支援交付金事業」を活用し、漁業者との協議の中で、漁場生産力の向上や創意工夫を生かした取り組みを推進し、離島漁業の活性化を図ってまいります。
 今後も、漁業経営安定のため、水産資源の保護と種苗放流による資源増大を基本とし、消費者ニーズに合わせた水産業が永続できるように、各漁業者及び関係団体とともに協働してまいります。
 次に、商工業の振興について申し上げます。
 世界経済は、ギリシャの財政問題から次々に波及していく欧州経済危機などかつてない危機が襲っています。日本では、東日本大震災による地震と津波、さらに原子力発電所の事故、進む円高など、深刻な課題が山積みしている状況にあります。
 本町の商工業を取り巻く環境も、依然として厳しい状況下にありますが、商工会が加工業者等と共同開発した地場産品は、イサバヤの名称で各方面に販売の力を入れており、今後の発展に期待しているところであります。また、本年で50周年を迎える商工会青年部の記念事業として計画されている式典や記念誌発行に支援をしてまいります。
 空き店舗がふえている状況にありますが、商店街活性化調査事業として、空き店舗活用のモデル事業と地域商店街活性化法の適用認定に向けた調査事業に支援をしてまいります。魅力ある商店街づくりの環境整備事業として設置されている街路灯は、環境活動や省エネ対策を目的とするエネルギー「一村一炭素おとし事業」の採択によりLED化され、振興会の負担軽減が期待されております。
 中小企業の育成振興を図るための特別融資制度における利子補給率の特例については、経済状況を考慮して、さらに3年間延長し26年度まで継続いたします。
 中小企業特別小口貸付制度については、利用者を創業者にも拡大したことから、その活用を促してまいります。
 それぞれの企業が経営改善に取り組み、経営基盤強化のために自助努力しておりますが、商工会や関係機関と連携を密にしながら、商工業の振興に努めてまいります。
 次に、観光振興について申し上げます。
 観光協会は新体制で4年目を迎えますが、関係機関との連携や役員相互の協議による発想の中、新たな観光資源の発掘やイベントの見直し、情報発信に努め、着実に成果を出しており、今後の観光客の誘致増に期待しているところであります。
 観光イベントにつきましては、昨年好評だった「はぼろ甘エビまつり」が6月に予定され、日本一の水揚げ量を誇る甘エビの売り込みを中心とした地場産品のPR、集客、経済効果を目指すイベントとして期待しております。
 また、「花火大会」や「サンセットビーチCUPビーチバレーボール大会」をビーチ周辺で開催いたします。
 新たな観光事業として、近代化遺産である羽幌炭砿を周遊する「羽幌炭砿探訪マップ」が完成し、炭鉱を生かした企画として注目しております。また、本町を舞台とした「幸福の黄色いハンカチ」のドラマロケが実施され、全国放送されたことから、このドラマを生かしたマップや名所づくりを行い全国からの観光客誘致を図ってまいります。
 焼尻島では、6月にめん羊牧場乾草舎を活用した焼尻めん羊クラフト体験事業、7月7日及び8日には「焼尻めん羊まつり」を実施し、サフォークブランドのPRと、より一層の集客を期待しております。また、観光客を迎える岸壁の絵文字補修を羽幌高校の協力により実施し、観光地として環境整備を図ってまいります。
 天売島では、5月3日に島開きセレモニーを開催し、離島観光の幕あけをPRしてまいります。世界最大のウトウの繁殖地をPRする「ウトウWELCOME DAY」を6月に企画し、ウトウ・ウオッチングの割引を行い宿泊客の増加を図るとともに、野鳥などの環境保護フォーラムを開催いたします。7月2日には、豪華客船「にっぽん丸」が寄港し、歓迎行事が開催されます。また、「天売ウニまつり」は、新鮮な地元のウニを安価で提供することによる集客を期待しております。
 ご当地グルメであります羽幌えびタコ焼き餃子は、別海町で開催予定の「新・ご当地グルメグランプリ」に参加し、売り込みを図るほか、地元の学校給食にも引き続き採用されており、地産地消が図られております。
 修学旅行の誘致に関しましては、北海道観光振興機構や関係機関などと連絡を密にし、体験ツアーと一体となった観光資源をPRしてまいります。
 合宿誘致事業につきましては、合宿誘致を目的として7月下旬に開催している高校野球のオロロンリーグに、札幌静修高校が引き続き合宿をし、本年は岩手県の江南義塾盛岡高校が合宿をする予定となっております。22年から始まったラグビー合宿も4月に予定されており、今後も積極的に合宿誘致事業に取り組み、地域経済の活性化を図ってまいります。
 観光施設の整備につきましては、はぼろ温泉サンセットプラザのボイラー更新や浴場関連の整備などを実施し、利用者の利便性向上を図ってまいります。その他の観光施設についても、経過年数や傷みぐあいを考慮し、適切な維持管理に努めてまいります。
 次に、労働対策について申し上げます。
 雇用を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にありますが、国内の昨年12月の完全失業者数は、前年同月に比べ24万人減で275万人の減少、昨年平均の完全失業率は、前年より0.3ポイント減少の4.6%となっており、留萌職業安定所における昨年12月末時点での有効求人倍率は0.51倍で、前年同期を0.08ポイント下回り、就職を希望する管内の高等学校卒業予定者の内定率は76.6%で、前年同期を4.1ポイント上回っており、過去5年間で最も多い状況となり、厳しい雇用環境ではありますが、明るい兆しが見えております。
 このような状況下、急激な経済情勢の変動により離職を余儀なくされた失業者に対して、緊急的、一時的なつなぎ就業の機会を提供する「緊急雇用創出事業」は21年度から実施されており、本年も4名の臨時職員を雇用する予定であり、制度を有効活用し雇用の創出を図ってまいります。
 国の季節労働者対策として、季節労働者の通年雇用化を促進するための「通年雇用促進支援事業」は、19年10月から3年間の事業として実施され、以後毎年の継続事業として実施しております。24年度においても事業の継続が予定されており、季節労働者の通年雇用に有利な資格取得等の事業を中心に事業の見直しを行いながら、少しでも多くの季節労働者の通年雇用化が促進されるよう事業を支援してまいります。
 今後も、国や北海道の制度を有効に活用・周知するとともに、関係機関と密接な連携を図りながら、雇用機会の確保と安定に努めてまいります。
 次に、住環境の整備について申し上げます。
 町営住宅の整備につきましては、21年度に策定しました「羽幌町住宅マスタープラン・公営住宅等長寿命化計画」に基づき、22年度から10カ年の計画期間で老朽化した公営住宅の効率的な建て替え整備を進めております。
 14年度から進めておりました朝日団地の建て替え整備は、23年度までの43棟86戸の整備をもって終了し、新たに幸町団地の建て替え整備が始まりました。23年度までに5棟18戸の解体・除却及び2棟4戸の建て替え整備を終え、24年度以降も引き続き毎年2棟4戸の建て替え整備を予定しております。
 既存住宅の維持管理につきましては、24年度は北町団地、天売団地を中心に計画的な修繕を行い、良好な住環境の整備を図ってまいります。
 22年度から管理運営を開始しました「栄町夕陽ヶ丘団地」につきましては、初年度から継続してほぼ全戸入居の状態となっております。今後も町単独住宅として有効に利用され、効率的な運営が保てるよう計画的な維持管理を図るとともに、将来の計画的修繕等に備え、基金の積み立てを行ってまいります。
 「住宅改修促進助成事業」につきましては、快適で良好な住環境の整備と町内建設産業の振興等を目的に、22年度から3カ年の時限措置で開始し、24年度が最終年となります。しかしながら、年を追うごとに高まる需要と地域経済に及ぼす波及効果から、継続を求める声が大きく、助成事業の充実と延長を検討してまいります。
 次に、環境衛生について申し上げます。
 本町を初めとする留萌中部3町村のごみ処理は、「きらりサイクル工房」で一括処理されておりますが、町民皆様のご理解、ご協力をいただき、分別収集・処理業務ともに順調に運営されており、ごみの資源化や減量化が図られております。
 しかしながら、遊休地や山林、道路等では、一部の心ない人による「ごみの不法投棄」が後を絶たない状況にあることから、今後も関係機関と協力し、不法投棄防止対策を継続してまいります。
 また、小中高生を初め、企業や団体、地域住民に至るまでボランティアによる清掃活動や美化運動の輪が広がっており、環境美化意識の高まりを感じております。
 引き続き、町民と行政が一体となって清潔で住みよい環境の保持に努めてまいります。
 留萌中部3町村の火葬場については、いずれも老朽化による施設の建て替えが懸案事項でありましたが、昨年6月から羽幌町外2町村衛生施設組合により留萌中部3町村の広域火葬場の建設が始まっております。
 24年8月より供用開始となりますが、葬送にふさわしい雰囲気を有し、環境に配慮した近代的施設に生まれ変わることで、利用者の利便性が格段に向上するものと期待しているところであります。
 また、羽幌町外2町村衛生施設組合で運営している広域し尿処理場についても、老朽化に伴う施設の更新が喫緊の課題となっておりますが、広域的で効率的な処理体制を維持するため、羽幌町の下水道処理施設を活用したし尿・汚泥共同処理事業いわゆる広域MICS(ミックス)事業の導入に向けて協議・検討を進めてまいりました。今後も、本事業の国費による補助採択を目指して水洗化率の向上を図るとともに、中部3町村での協議を進めながら、早期の事業着手に努めてまいります。
 次に、公共交通体系の整備について申し上げます。
 地域公共交通のかなめである市町村間を縦貫するバス路線については、地域の過疎化とマイカーの普及が進む中、厳しい運営を迫られております。今後も「留萌地域生活交通確保対策協議会」並びに「オロロンライン生活路線バス協議会」における関係機関や市町村との連携のもと、主要幹線及び単独補助路線の効率的な運行が図られるよう、バス事業者への支援に努めてまいります。
 本町が運営し、町内2路線を有償運送する児童・生徒と一般住民の混乗運行については「羽幌町地域公共交通会議」における他団体との連携のもと、引き続き各路線の効率的で持続可能な運行に努めてまいります。
 町内循環バス「ほっと号」は、地域の交通空白地帯を解消するため15年にスタートし、主に医療機関への通院や温泉、公共施設の利用等幅広い用途にわたり、高齢者など交通弱者の生活の足として活用されております。
 今後もさらなる利用者増を図るため、利用者のニーズを的確にとらえ、地域の足としてより一層定着されるよう努めてまいります。
 離島地区の生活基盤であり住民の足である離島航路につきましては、離島住人や観光客等の減少による欠損額の増大から、改善計画の策定が急がれておりました。このため、関係機関で構成する協議会において協議を重ねた結果、昨年度「離島航路改善計画」の策定をいたしました。23年度以降は、計画実現のための協議を進めており、高速船「さんらいなぁ」の代替建造を中心とした事業計画を推進してまいります。
 次に、港湾整備について申し上げます。
 港湾は、本町の振興・発展を図る上で重要な施設であるほか、羽幌・天売・焼尻を結ぶ玄関口として貴重な役割を果たしており、将来の有効利用に向けた整備と、適切な維持管理に取り組んでいく必要があります。24年度につきましても、第10次港湾整備計画により、引き続き整備を進めてまいります。
 羽幌港においては、国直轄整備事業を主体とし、25年度を目指した中央埠頭の供用を図るため、港湾施設用地、道路及び岸壁の整備を完成させるとともに、港内静穏度を高めるため防波堤の整備を完成させるよう整備を進めてまいります。
 また、整備後の中央埠頭に移転改築する「新フェリーターミナル」の建築及び周辺整備を実施いたします。
 休止港である天売港、焼尻港も含め、今後とも港湾利用者の意見を聞きながら、港湾の安全確保と利便性の向上、観光振興を意識した整備を進めてまいります。
 次に、水道事業について申し上げます。
 水道は、安全で安定した水道水を供給し、快適な暮らしを支えるライフラインとして重要な使命を担っておりますが、上水道事業では、19年から導入した上下水道施設運転管理の一元化による民間委託や、企業債の繰上償還による後年度利息負担の解消など、今後も業務の効率化、コスト削減による経営の健全化を図るとともに、水道水の安全・安定供給に重点を置き、水道事業を運営してまいります。
 簡易水道事業においても、上水道と同様、安全で安定した水道水を供給するため、各施設の維持管理のための設備更新等を実施し、経営の効率化に努めてまいります。
 次に、下水道事業について申し上げます。
 23年12月末の認可計画面積における進捗率は90%に達し、水洗化率は52%となっております。
 24年度は、雨水管の老朽化に伴い、南3条仲通り及び川北地区の雨水管整備を実施するとともに、し尿処理におけるMICS(ミックス)事業導入に向け、水洗化助成制度を見直し、新たな制度のもと、水洗化率向上に努めてまいります。
 また、供用開始から10年が経過しました浄化センターにつきましては、昨年から手がけました長寿命化計画の策定事業を完了させ、効率的な施設更新につなげてまいります。
 今後も、快適な生活環境の提供と、環境保全に寄与する下水道の整備を計画的に推進するとともに、水洗化率向上に向けたPR活動を積極的に行ってまいります。
 次に、防災対策について申し上げます。
 東日本大震災や大雨災害の影響を受け、全国各地でその対策が急務とされておりますが、本町においても、北海道が推進する津波避難計画の作成に係るモデル市町村として指定を受けるなど、町民を交え、その対策に取り組んでいるところであります。
 本年は、引き続き本避難計画の作成を進めるとともに、災害に対する地域住民の意識向上に向けた防災訓練の実施、さらに、22年度に作成、配布したハザードマップにつきましても、北海道が行っております津波浸水予測図の見直し作業の結果に基づき、早急に改訂版を作成することとしております。
 また、災害発生時の避難所開設を想定し、特に冬期間における防寒対策が必要でありますことから、毛布や石油ストーブ等の防災資機材の整備を進めてまいります。
 以上、24年度の町政執行に対する基本的な考え方と、主な施策の概要について申し上げました。
 現在、全国の自治体においても少子高齢、人口減少、そして厳しい財政状況といった現実ではありますが、何とかこの状況を住民自治のもとで解消していかなければなりません。
 老朽化している公共施設の維持管理を初め福祉対策などの公共サービスの水準も維持しなければなりませんが、22年度から導入しました「行政評価」等により行政運営の改善を図りながら、行財政の効率化に努めてまいります。
 また、多様な事務事業に取り組むためには自治体単独では負担が大きいことから、近隣自治体との広域連携にも積極的に取り組んでまいります。
 今後におきましても、これまで同様「民間活力」の促進を図るなど、「町民協働」によるまちづくりを一層推し進め、先人が築き上げてきた町の基盤を継承・進展させ、希望の持てる「元気な未来づくり」のため、力を尽くして取り組んでまいる所存であります。
 町議会、町民皆様におかれましても、引き続き、一層のご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の町政執行方針といたします。

〇議長(室田憲作君) 昼食のため暫時休憩します。

休憩 午前11時51分
再開 午後 0時58分

〇議長(室田憲作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

    ◎教育行政執行方針
〇議長(室田憲作君) 日程第5、教育行政執行方針を行います。
 教育長から教育行政執行方針の申し出がありますので、これを許します。
 教育長、石川宏君。

〇教育長(石川 宏君) 平成24年第1回羽幌町議会定例会の開会に当たり、羽幌町教育行政執行方針を申し上げます。
 教育は将来を支える人材を育てるための重要な基盤であり、教育の質の向上を図り、みずからが持つ多様な力を存分に発揮できるようにする環境整備が必要です。
 また、子供たちに質の高い教育を提供するため、教員が子供一人一人に向き合う時間を確保しつつ、個々に応じたきめ細やかで質の高い指導や新しい学びの形態とされる協働的や双方向型などにも対応することができるよう、全体を通じた総合的な学習体制の確立が進められています。
 さらに、子供たちが確かな学力を身につけられるよう、教育に関する継続的な検証改善サイクルの確立も提起されています。
 小中学校における学校教育の面では、新学習指導要領において「生きる力」としての確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成を目指し、思考、判断、表現を重視した、さまざまな教育活動が求められています。
 このようなことから、みずから課題を見つけ、主体的に判断、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力の開発に加え、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性を養い、そして、たくましく生きるための健康や体力などの取得に向けた教育実践の推進を考えてまいります。
 高齢化が進んでいる中で、町民一人一人が健康で心豊かに過ごすため、人生の各時節において、自己向上の努力とする新たな知識の習得や芸術文化、スポーツなどを生き生きと学び続けることができるよう、活力ある生涯学習社会の構築を見据えた学習機会の提供が必要であるとも考えております。
 以下、学校教育及び社会教育関係の主な施策について申し上げます。
 最初に、学校教育における教育効果を高めるための条件整備についてであります。
 新学習指導要領は、昨年度から既に小学校において導入され、今年度から中学校での実践が進められます。
 小学校では、6年間での授業時間数の増加に加え、外国語への親しみとコミュニケーション能力を育てる目的で、小学校5・6年生に英語教育の時間が創設されたことから、各学校での取り組みや外国語指導助手(ALT)の有効的な活用により円滑な実践を行っています。
 中学校では、今年度からの実践として、国語、数学などの主要教科における授業時数が10%程度増加したほか、保健体育では、日本古来の武道が必修科目に加えられたため、種目選択にあっては、関係保護者の意向を踏まえた各学校の意見を尊重し、剣道を選定したものであります。また、必要となる道具類は、保護者の方々の負担を考え、用具一式を、それぞれの各学校へ配置する考えであります。
 情報通信技術(ICT)化は、教育用及び教師用コンピューターなど、離島地区における光通信の整備を含め情報通信環境が構築され、情報通信技術を有効的に活用した多様な学習を推進しているところであります。今後は、個々のパソコンのリースなどによる配置形態も含め、適切な更新や管理に努めてまいります。
 学校図書整備については、24年度を始期とし、新たな5カ年計画を策定、継続した整備を推進しつつ、公民館図書室と一体となった蔵書のデータ管理により読書環境の充実を進め、義務教材及び理科教材などとの調整を図りながら計画的に整備してまいります。
 英語指導助手の配置におきましては、町内各小・中・高等学校での英語学習に加え、保育所、幼稚園、公民館事業における英語教育指導などを通じ、生きた英語に接する機会の提供と、外国文化や生活習慣の理解を深める機会を提供し、国際理解教育の一助となるよう引き続き有効な活用を進めてまいります。
 特別支援教育では、19年度からの制度展開に合わせて、総合的な支援に向け関係機関と調整していましたが、一昨年、学校や福祉関係者などの関連機関で構成する「特別支援教育連携協議会」が設置されました。今後も、当連携協議会の活用を図りながら、小学校への就学時を起点とした情報交換を行い、就学時から中学まで継続した支援に結びつくよう関係機関へ促してまいります。
 また、就学初期を中心に低学年の要支援児童の増加傾向に対応するため、昨年に引き続き本年度においても羽幌小学校へ教育支援員を2名配置し、支援体制の強化を継続する考えであります。
 今後も、支援を必要とする児童生徒一人一人の状態に応じた適切な指導及び支援に努めてまいります。
 「全国学力・学習状況調査」については、本年度の実施方法や公表形態を踏まえ、北海道の方針を見きわめた上で、各学校との調整を図りながら、取り組む考えであり、結果における成果と課題を把握しながら、今後も教育指導や学習状況の改善に役立ててまいります。
 3、4年学年の社会科や総合学習において使用する社会科副読本は、従前からほぼ10年ごとに更新していましたが、既存の副読本が10年を迎えることから、24年度において、町の生い立ち、歴史など、新たな情報を加え創刊する予定であります。
 次に、教育環境の整備についてであります。
 学校施設の安全確保については、子供たちの学習と生活の場であると同時に、災害時における地域の避難場所に指定されています。中でも、羽幌小学校の改築につきましては、昨年度、基本構想を策定しましたが、今後は次の段階として、より具体的な検討を進めるとともに現況測量及び地質調査を実施してまいります。
 各学校のその他の施設整備についても、緊急度を勘案しながら整備・改修を進めてまいります。
 教職員住宅の整備、改修につきましては、保有住宅の4割近くが築後30年以上で老朽化が著しい状況にあることから、教職員活動の基盤となす居住環境提供のため計画的な整備を行うとともに、緊急度を勘案しながら適宜補修を実施してまいります。
 次に、地域に開かれた学校づくりと学校職員の資質能力の向上についてであります。
 学校、家庭、地域社会それぞれが連携して、子供たちを健やかにはぐくむことが重要であり、地域社会に信頼される学校づくりが大切であります。学校の教育活動や学校運営の状況を積極的に保護者・地域に情報提供し、学校経営における点検、評価を生かし、開かれた学校づくりに努めてまいります。
 また、教育委員会の事務事業の点検評価の実施により、町部局と一体となった公表を通じ、今後も効果的、かつ、効率的な教育行政を推進してまいります。
 学校が、教育機能を十分発揮できるかどうかは、校長を中心に教職員が組織的な連携のもと、常に資質・能力を研さんされ、みずからの役割をきちんと果たすことが不可欠であり、専門職としての知識や能力の向上を高めるための研修機会の提供を行い、教職員が持っている能力を最大限に生かすことができるような環境づくりを推進してまいります。
 次に、心身ともに健全な人間性と社会性をはぐくむ安全な環境づくりについてであります。
 道内の児童生徒の問題行動は、不登校件数は減少傾向にあるものの、暴力行為やいじめの発生件数は依然として多く、深刻な状況とされています。また、中学、高校の生徒を対象とした薬物に関する意識調査の結果を見ると、単なる興味本位からの薬物使用実態や罪への否定的な意識もうかがえ、薬物乱用への防止対策も大きな課題として提起されています。
 一日の多くの時間を過ごす学校では、児童生徒の発する小さなサインを見逃すことなくとらえ、いじめや不登校など未然に防止することが理想ではありますが、学校だけで解決できるものではなく、学校、家庭が一体となった取り組みが不可欠と思っております。いじめや不登校の要因としては、友達や部活動、さらに学校や先生でのトラブル、新しい学校での適応障がいなどが原因として一般的に挙げられています。
 このため、問題解決に向けた一体的な取り組みとして、家庭、学校、地域が連携し、生活習慣や礼儀、マナーなどを身につけるよう指導・援助しながら、「いのち」を大切にする心や人を思いやる心など「心の教育」を重視した総合教育の充実に努めてまいります。
 本町における生徒指導は、小中高独自の指導に加え、羽幌町生徒指導連絡協議会を軸として、学校間の連携を図り積極的な展開により、問題行動などの未然防止や的確な状況把握に努めてまいります。
 次に、高等学校教育の振興と幼児教育の推進についてであります。
 天売高等学校は、定時制普通高校ですが、3年間での卒業コースを含め、進学、就職に備えた修学形態のもと、資格、検定取得によるスキルアップや水産資源を活用した製造実習、地域環境をテーマとした研究など、地域に開かれた学校づくりを進めております。
 今後も、きめ細やかな教育の展開や地域と連携した特色のある教育を推進してまいります。
 羽幌高等学校は、生徒の多様な進路に対応した教育課程を編成し、日ごろから地域の期待にこたえる学校づくりを推進しております。今後も、同校の進める魅力ある学校づくりに対し、連携と情報の共有化を図り、自治体としてさらなるクラブ活動に対する支援拡大を初め、資格取得に向けた支援を図りながら、地元高校への志向が高まるよう努めてまいります。
 幼稚園教育については、町内2つの私立幼稚園は、それぞれ特色を生かした教育活動を推進されており、今後とも就園奨励補助及び振興補助の継続と、英語指導助手の派遣など教育活動などへの支援を行ってまいります。
 次に、学校給食についてであります。
 学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた食事を提供するとともに、日常生活における正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成、食に対する感謝の心など多くの要素をもって実施しており、今後も食育教育に関する指導に努めてまいります。
 また、学校給食の提供については、市街地区学校給食センターの衛生面や調理場内の環境改善のため、設備の更新や機器を整備するとともに、昨年に引き続き地元食材を使った「えびタコ焼き餃子」の提供に加え、管内統一メニュー給食も取り入れ、地場産品の活用を図り、使用食材の選定や衛生管理などに万全を期し、安心安全な学校給食の提供を進めてまいります。
 2つ目として、社会教育における青少年教育についてであります。
 今日の核家族化、少子化の進む中、子供たちの耐える力や自己抑制力、他人を思いやる心が薄らいできている状況にあります。また、家庭でのしつけなど、家庭や地域の教育力の低下、青少年の異年齢・異世代間の交流の減少、青少年の問題行動が深刻化している現代社会において、一人でも多くの子供たちが健やかに成長するためには、安全の確保や心身の健康とともに、家庭・学校・地域が連携・協力し、地域社会全体で子供をはぐくんでいくことが重要であります。
 昨年発生した未曾有の大震災を契機に、家族や地域のきずなの大切さが改めて実感として感じた年でありました。このような貴重な経験を、今後の活動に生かしていかなければならないと思っております。
 今後も、各関係機関と連携を密にし、子供たちのさまざまな体験活動や文化活動への関心を助長し、子供会やスポーツ少年団活動など、集団での活動の中で子供たちが相手を思いやる心をはぐくみ、向上心や主体性を培う活動を支援してまいります。加えて、町の事業として子ども自然教室やほっとクラブなど、子供たちがいろいろな体験をする機会をふやすとともに、リーダーの育成、指導者の養成を推進してまいります。
 さらに、今年度は中高生を対象とした「命の大切さ」をテーマにした講演を実施する予定であります。
 乳幼児向け事業では、乳幼児親子を対象に子育て支援事業の「のびのび子育て教室」などを行い、親子で楽しくきずなを深めることのできる事業を行ってまいります。
 テレビやインターネットなどのさまざまな情報メディアの普及により、子供の読書離れが指摘されていますが、昨年、整備した図書室情報システムを活用し、学校図書室との連携を図り、子供たちがより多くの本と出会う機会をふやすとともに、読書を通して、豊かな人間性と生き方を身につけるよう関係機関やボランティアグループなどと連携した読書活動の一層の振興を図ってまいります。
 青少年の問題行動の未然防止活動については、社会教育の分野においても青少年問題協議会を軸に取り組んできたところであります。
 今後も重要課題であり関係機関との情報交換を密にしながら、町民による見守りの「あいさつ運動」や、不審者などに対する地域での監視体制として「子どもパトロール隊」、「子ども110番の家」などの活動を引き続き行ってまいります。
 「地域の子どもは地域が守り育む」ことの大切さを多くの町民に理解していただき、「無理をせず自分に最もあった活動」を基本に、広く町民に参加してもらうための啓発活動にも努めてまいります。
 次に、成人教育についてであります。
 社会保障や、雇用問題、少子、高齢化、過疎化など社会的な状況が混沌としている中、将来に不安を抱えながら本町に生活している成年や高齢者に対し、日々の生活の中に「うるおい」や「喜び」の提供や、「人生の生き甲斐」を見出す一助となるよう、それぞれの生活環境や人生のあらゆる時期に、最も適した手段と方法で知識や技術を習得できる機会と情報を提供していくことが重要であります。
 また、人口の減少、少子化が進む中、高齢者が中心となり、まちづくりを進めていく社会も確実に進んでいます。
 このことから、高齢者の組織的学習と学生自治会など交流の学びやである「いちい大学」や、多様な学習ニーズに的確に対応した各種「成人講座」の開設、社会教育関係者やPTAの活動を高める研究大会の開催など、多くの学習機会の確保に努めるとともに、学習情報の提供などを通して、生きがいや社会の連帯につながる積極的な学習活動を奨励し一層の充実を図ってまいります。
 次に、家庭教育についてであります。
 家庭教育は、子供にとって社会生活に必要な基本的な生活習慣を学ぶ、すべての教育の原点であり、家族のきずなを深め、同時に他人に対する思いやりや善悪の判断や社会のルールなど、人間形成の基礎を培う重要な役割を担っていることは言うまでもありません。
 本町においての家庭教育は、その中心となる親が子供への教育を十分に行うための知識・技能と態度について学習する「社会教育」としてとらえ、親と子供の成長を社会全体が支えるという考えのもとに、学習機会や情報の提供などを図ってまいります。
 次に、健康づくり、スポーツ活動についてであります。
 スポーツ・レクリエーション活動は、身体を動かすことによる爽快感、肉体的・精神的な充足感・達成感をもたらすことから、健康の保持・増進や体力の向上だけでなくストレス解消など重要な役割を果たしています。
 体育振興の拠点とも言うべき総合体育館を指定管理にして、4年が経過しました。年々、指定管理者である「NPO法人羽幌町体育協会」は民間の柔軟な発想により新たなスポーツ教室の開催を積極的に行うなど、体育振興によい影響を与えており、今後の運営に大きな期待をしているところであります。
 昨年度から、指定管理者の事業として実施しておりますスポーツ事業の「オロロンライン全道マラソン大会」、「おろちゃんマラソン大会」を継続実施するとともに、今年度からは、子供から高齢者までの健康増進、体力、運動能力の向上、さらに、地域住民に運動習慣の定着を図ることを目的とし「コーディネーショントレーニング」や「スポーツダイエット」などのスポーツ教室を実施してまいります。
 また、合宿誘致事業と連携し、文化・スポーツ技術の向上、振興を図るなど、町民との交流などにも期待をしているところであります。
 施設面では、総合体育館の雨漏りを解消するため、屋根、屋上の改修に取り組みます。
 次に、文化活動についてであります。
 大震災後、復興・復旧に向け多くの人々が懸命に努力している姿を見るにつけ、今こそ芸術・文化に接することで心の豊かさをはぐくみ、未来に希望の持てる明るい社会をつくるときと考えます。
 今後も、文化協会や個人の文化活動の場を提供するとともに、発表の機会や相互交流を図り、より活発で自主的な活動の支援を行ってまいります。
 また、本年度も高い水準の芸術・文化をより多くの住民の方々に鑑賞していただく事業を開催するとともに、他市町村で開催される作品展や舞台芸術の鑑賞など、地域間の文化交流も進めてまいります。
 友好町村「富山県南砺市たいら地域」及び姉妹都市「石川県内灘町」との文化・スポーツ交流も引き続き実施してまいります。
 本年度は、羽幌町の子供たちがスポーツ・文化交流事業として、内灘町を訪問いたします。
 社会教育は、生活のあらゆる機会と場所で行われる各種の学習や体育・スポーツ活動、芸術・文化活動であり、自発的に自己の充実や生きがいを目指して行われるものであります。
 町民が「いつでも、どこでも、だれでも」学ぶことができ、「楽しみ」や「生きがい」を求めることで、その成果が地域のまちづくりに生かされるよう継続的、発展的な事業の推進と支援に努めるとともに、各社会教育施設の維持管理や整備に努めてまいります。
 以上、平成24年度の羽幌町教育行政執行方針を申し上げました。その執行に当たりましては、各関係機関・団体などと密接な連携を図りながら、本町教育の振興発展に努めてまいります。
 議員各位を初め町民皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

〇議長(室田憲作君) これで執行方針を終わります。

    ◎一般質問
〇議長(室田憲作君) 日程第6、一般質問を行います。
 発言は通告順に許します。
 順序は次のとおりです。2番、金木直文君、7番、平山美知子君、5番、船本秀雄君、3番、小寺光一君、以上4名であります。
 最初に、2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) まず、私からは保育事業民間移行の場合における親族問題について質問をいたします。
 去る1月30日に開催されました当議会の文教厚生常任委員会において、町はまき幼稚園を運営している学校法人泉学園から認定こども園開設の計画が通知されたことを報告しました。あわせて町は、保育事業について以前から可能であれば民間に担っていただきたいという考えがあり、これを機会に民間活用を進めるタイミングと考え、今後計画を提出した泉学園との協議を行った上で、実施に向けて取り組んでいきたいとの考えが示されました。この日の後、2月16日にも同じ議題で常任委員会が持たれ、長時間に及ぶ審議が行われましたが、保育事業は保育に欠ける乳幼児に対する重要な児童福祉事業であり、小中学校の義務教育へとつながる子供たちへの大切な施策であることから、より慎重、丁寧な対応が求められていると認識しているところです。これまでの常任委員会では、認定こども園構想とあわせた保育事業の民間移行について、1月に入ってから知ることとなったにもかかわらず、3月中にも答申を受けて方針を決定したいとする町の姿勢は余りにも拙速過ぎること、その答申の諮問を行うこととなった児童福祉施設検討委員会は幼稚園、保育所、小学校など関係機関関係者ばかりが名を連ね、有識者や一般住民といった利害関係のない第三者が含まれていないこと、この検討委員会での審議内容の公開などをめぐって議論が続いています。
 1月30日の常任委員会において、町長と泉学園理事長は2親等の親族関係にあり、実弟である町長が実兄が行う幼稚園事業者へ町の保育事業を任せることは法令、法規上あるいは政治倫理上どうなのかと町の見解をただしたところ、学校法人がみずからの方針として認可を受けて実施する業務であるとして、自由に法人が実施する分には問題はないと整理していると副町長が答弁されました。この点について改めて町長の見解とその根拠、疑問視する町民への理解の図り方についての考えはどうか質問をいたします。
 以上です。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 金木議員のご質問にお答えをいたします。
 初めに、町へ提出されました学校法人泉学園の計画について申し上げますが、本計画は幼稚園の改築にあわせ国の就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づき、認定こども園を開設しようとするものであります。これは、泉学園が経営方針として認可、認定を受けて、幼稚園、保育園を問わず希望するすべての子供に対し生涯にわたる人格形成の基礎である質の高い幼児教育、保育を保障することを目的として実施しようとするもので、幼保一体化による総合こども園への移行を踏まえた上での計画であり、町が行っている保育業務を学園に委託するものというものではございません。このように泉学園が計画する認定こども園は、町との請負契約または業務委託を行うものではなく、泉学園が自主的に運営する事業でありますので、法令、法規上抵触しないものと考えます。
 ご質問の親族に保育事業を任せることについてでありますが、学校法人泉学園は認定こども園をみずから開設するものであり、町として保育園の改築と今後の事業運営を考えたとき、どちらが町のためになるかということで検討しているところでございます。
 次に、町民への理解の図り方についてでありますが、児童福祉施設検討委員会での率直な意見の交換ができるよう答申までの間、公文書については非公開と考えておりましたが、すべての情報を公開することが公益上最良と考え、情報公開をすることにより町民の理解を図ってまいります。町のすべての就学前の子供が親の就労の有無にかかわらず、平等な教育と保育が受けられ、それぞれの個性と能力を伸ばし、人の気持ちを理解できる人間になれるよう幼児期の人間形成の基礎を培うことのできる施設設置を考えております。
 以上、金木議員に対する答弁とさせていただきます。

〇議長(室田憲作君) これより質問、答弁の時間は30分以内となります。
 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) それでは、保育事業に関する民間への移行となった場合、またこの方向で検討するとなった場合の仮定での質問ということになりますけれども、性格上ほとんどが仮定上の質問になるかと思いますが、その点はご了承いただきたいと思います。
 ちょうど時同じくして、最近数日前の新聞紙上にも政府のほうではこの後の総合こども園構想を打ち出すということで閣議決定をされたと。もう間もなく国会にも上程されるのかというような中身になっているだろうと思いますけれども、今後羽幌においてもまずは認定こども園ということが表舞台に出てまいりましたので、その後の総合こども園などもにらんだ上で、現在の羽幌の保育事情について、入園を待ってもらっている、待機してもらっているという状況はあるのかどうか、その点をお知らせいただきたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 未満児につきましては、特にゼロ歳児ですけれども、入所待ちの方はございます。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) 私も一部そのような動きがある、そういう状態であるというふうには薄々は伺ってはおりましたけれども、そういった状況も踏まえて、今後例えば泉学園のほうで、認定こども園を開設していきたいということを認可するのは道ということになりますから、道へ申請をしていった場合に、このような状況、一部ゼロ歳児における待機事情とかということも含めて、羽幌町としては認定こども園が認可されるのかどうか、町としての可能性、あるいは町としての見方はどのようにお考えなのかお伺いいたします。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 認定こども園につきましては、泉学園さんは既に幼稚園を経営なされていますので、幼稚園型の認定こども園はそのまま認定になると思います。幼保連携型につきましてもゼロから未満児の関係で、保育の認可をとった場合には幼保連携型という形になると思います。今の現状でいいますと、ゼロ歳児につきましては待機児童がいるということでありますので、形的には幼保連携型、そこの部分につきましては幼保連携型の可能性もあると思っています。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) それでは、そういった状況であることも一応頭に置きながら、今町のほうではいろいろな話が聞かれています。私の周りでもいろんな人と話をしておりますけれども、今後のこれからの羽幌町にとってよいことであるなら、別にまきさんにやってもらっていいのではないかというふうにおっしゃる方もおられます。また、その一方で、実の兄弟という関係を考えれば、保育事業を任せることは問題だというふうに指摘をされる方もおります。私自身も今現時点では結論は見出せておりません。どうしてこれだけ新聞紙上でも問題になるのかという、その辺がぴんとこないという人も中にはおられます。もちろん町長はもとより町理事者の方々はもう十分ご承知であろうとは思いますけれども、そういったなぜこんな問題になるのかということについて、法的なところにちょっと振り返りながら述べさせていただきますけれども、地方自治法、いろんな自治体の問題を取り決めている法律に地方自治法があります。その142条に自治体の長に関して兼業の禁止という条項があります。条文は長いので、かいつまんで言えば、首長、町長と自治体の間で請負契約はできませんよという規定です。町長個人の場合は、金額のいかんを問わず禁止をしています。また、町長が法人の役員をしている場合、その場合も主要な部分を占めているときには禁止をしているというふうに解するのが一般的だというふうにぎょうせいが発行している「地方財務実務提要」の中でも明記されています。実は、地方自治法で明記されているのは大体この程度でありまして、では今回この羽幌で起きているような幼稚園事業、保育園の事業について云々というようなことまでは地方自治法には触れられておりません。この問題に詳しい専門家の意見によれば、性善説といいますか、まさかそういう立場を利用して利益を誘導するような首長や議員はいないだろうということを見込んで、細かな規定はしていないのだという見解も言われています。ところが、最近では全国あちこちでそういった例が見られるということもあって、自治体によってはその自治体独自に政治倫理条例を設けているというところがあります。私が調べたところで東京都の多摩市においては、多摩市長等、等がつきますけれども、副市長や特別職も含めて、多摩市長等政治倫理条例というのがつくられて、その第5条には市長等、市長等の配偶者または市長等の2親等以内の親族が役員をする法人等及び市長等が資本金、基本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している法人等は、地方自治法142条及び166条第2項の規定の趣旨を尊重し、市民に疑義の念を生じさせないため、市との請負契約等を辞退しなければならないというふうに載っています。多摩市では、はっきりと辞退しなければならない禁止事項を設けておりますけれども、また町によっては辞退することが望ましいという努力規定をしているところもあるようであります。ただ、保育事業が請負契約となるのかどうかというのは別に後でまた触れたいと思いますけれども、羽幌には当然こういった倫理条例はありません。しかし、条例のあるなしにかかわらず、住民に疑義を持たれる、そういった判断はすべきではないというのはやっぱり基本的な姿勢だろうと思います。
 私は、先月3日道のほうに赴きまして、道の子ども未来推進局の担当者と面談をしてまいりました。この未来推進局は、認定こども園の申請が出されたときには認可をするかどうかということを審議して許可をする部署です。町長と学園理事長との2親等の問題についての道の見解を求めたところ、認定に当たって道としてこうした問題をしんしゃくすることはない。当然自治体内での検討委員会などにおいて審議、検討がなされるものと考えるという回答でありました。私にしてみれば、道としての判断は避けたなという格好でお聞きをしてまいりました。やはりこの件については、答弁の中では問題はないということで述べられましたけれども、改めて町長あるいは町から道へこの件についての見解を求めることがあったのでしょうか。もしもあったのであれば、どのように道は述べているのかお聞きしたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 この件の142条の関係では、道との協議はしてございません。
 以上です。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) ということは、町独自の判断で問題はないということだろうと思いますが、やはりこれでは私はちょっとまだ根拠としては薄いのかなという気がいたします。道に聞いてはっきり答えないのであれば、国のほうになるのでしょうか。厚生労働省になるのか、法律的な問題は総務省になるのかもしれませんけれども、やはりこの点についてはもうちょっとうちの町の中で考えて問題ないのだから、クリアですというだけでは私はまだ根拠としては薄いという気がいたします。道のほうでは、当然こうした問題は町のほうで考える問題でしょうというふうに振られました。現在児童福祉施設検討委員会でもこれから答申に向けた諮問がなされるのだと思いますけれども、こうした親族問題についても言及されることになるのかどうか、その辺の見通しをお聞きしたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 先ほど金木議員のご質問の中にもございましたように、今回の泉学園が認定こども園をするというのは自主的に行うということでございます。行政が保育事業を他の業者に業務を移管するということではなくて、泉学園が独自でするということですので、契約条項が発生しません。委託または請負契約については発生しませんので、今回の件につきましてはすべてに該当しないものと考えております。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) その件については、私も後で述べさせていただきますけれども、答弁の中でこれまで検討委員会での審議内容、途中での公開はしないということであったわけですけれども、今日の回答ですべての情報を公開するというふうに方針が転換されました。これは、今後これからの分について公開するという意味なのか、昨年の11月30日ですか、初会合が持たれて以降3回ほど開かれていると思いますが、この間の開かれた検討委員会の中身についても公開をするということで理解していいのか、確認したいと思います。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 まず、11月30日については公開してございます。諮問してからの分について、答申が出るまでの間ということで非公開としていたものですから、一応そういう形になっていますけれども、前回の2回目、3回目につきましても公開という形で行いたいと思っています。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) わかりました。
 それで、先ほどの課長の答弁、自主的な方針であるのでと、云々ということですが、町が請負または業務委託を行うものではないということは確かにそうだと私も思います。保育事業について民間の事業者が行うからといって自治体と別に契約書を交わすわけではないのだろうと思いますけれども、ですから泉学園が自主的に運営をし、これから認定こども園を行っていくということについて何ら私も意見を述べるものではありません。それは、確かに自主的なことであろうと私は思いますけれども、しかしながらこれにあわせて町が公的保育事業を閉止するということになっていくとすれば、これはやはり実質的には保育事業を泉学園に任せていくという形になるのだと思います。これは、私なりの言い方になりますけれども、契約書を交わさない請負、契約書を交わさない業務委託というふうにとられても仕方がない。何ら変わらない状況になるのではないかと私は思います。ですから、現在保育事業となれば多額の公費が入ってくるわけであります。先日の常任委員会で羽幌町の保育事業にかかわる交付税算入額、今は一般財源化をされておりますので、その交付税算入額についてのお話の中では、自治体へ、羽幌町へは現在年間2,000万円ほど交付されている計算になると。そして、羽幌町の場合は町が直営していますから、保育所を直営している自治体にはさらに1,000万円ほど交付されている。合計年間3,000万円が交付されている計算になるのですということであります。実際3,000万以上かかっている年もあれば、大体このぐらいの金額で事業を行っている年もあるというお話でありましたけれども、泉学園が今後現在の羽幌町で行われている保育園と同規模で運営をしていった場合、公費から負担される金額の予想額というのはどのぐらい予想されるのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 暫時休憩します。

休憩 午後 1時42分
再開 午後 1時43分

〇議長(室田憲作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) 現在試算しておりません。年齢構成によっても変わるものですから、その過程を入れながら計算をしなければいけないので、現状ではその数字は出てございません。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) すぐには計算できないというお答えでありますけれども、恐らくそれ以上私が推定するのもなんですが、少なくない公費が入る。歳入として入ることは恐らくそうだろうと思います。先日常任委員会で泉学園の計画担当者がおいでになって、私が財政的な見通しとしてはどうなのですかというふうにお聞きしたところ、何とかなると思いますというあいまいな言葉ではありましたけれども、当然こうした補助金なども活用した上での見通しなのだろうというふうにお聞きしました。それでも年間1,000万とか2,000万とかという金額になるのだろうと私は予想しますけれども、こうした親族問題が絡みながら、また多額の公費が伴う事業ということになれば、やはりその検討は一定期間を時間をかけて慎重に検討するというのがまずは基本ではないかと思います。兄弟が行う保育事業拡大にあわせて町長が公的保育を閉止した、取りやめたというような例が全国にあるのかどうか私は知りません。もしもなければ全国初のケースとなるわけでありますから、NHKが取材に来てもおかしくないと思いますが、町長にはこれは後々親族へ利益を誘導したなどというような汚名がついて回ってほしくないと、私は本当に心からそう思っております。そういう意味でも時間をかけてしっかりと審議をしてもらいたいというのが私の意見でありますが、私自身も今後よりよい保育事業のあり方の検討もあわせてこの親族問題についても見識をさらに深めて、当然議員としても判断をしていきたいと思っております。羽幌町には、明らかに明文化された条例はないわけでありますから、法令、法規上抵触しないとしても、やはり政治倫理上の判断では見解は分かれるところだろうと思います。町民への理解の図り方について、検討委員会での情報公開は行うということになりましたけれども、そこにとどまらず、他自治体には見られないような、例えば認定こども園に対して財政状況を町に報告してもらうというような高度な透明性の確保なども今後検討していく。明らかに疑義を持たれないように、いろんな意味で透明性を高めていくということもさらに検討していくべきではないかと私は思っておりますけれども、改めてこうした問題も含めて、町長のそうした疑問や疑義を感じている住民の皆さんへの対応についてさらにどう深めていこうとされるのか、お考えなのかをお聞きしたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) お答えをいたします。
 兄が経営する学校法人ということで、さまざまな金木議員なりの疑念を持っているようでございますけれども、答弁で申し上げましたとおり全く契約が成り立つということでもございません。いわゆる泉学園が認定こども園という制度に向かって今取り組みを始めたということで、ただそればかり言っていても一連の今回の羽幌町の取り組み方、取り組んできた姿勢と、そのプロセスとでも申しますか、そのことにつきましては何度となく議員のほうからもご指摘がありましたとおり、短い期間の中での拙速な進め方ではないのかなというようなことでは、やはりそういった意味で兄弟ということよりも住民の方々がなぜこんな話を早く進めようとしているというようなことでは、ある意味ではいろんな考え方を持った方々もたくさんいるのかなというふうに思います。担当者、泉学園の方が来てお話ししたときに24年度の安心こども基金の話もされたというふうに思いますけれども、あれが最終的に24年度が最後のチャンスだということもございます。そんなところで泉学園側は急いだと。急いだということよりもそれを目標にして動き出したということだったというふうに思います。町がその話に何度となく答弁しておりますけれども、今まで考えてきたこと、そしてこれからの保育園のあり方という姿も今の政局の中で少しずつ見えてきたと。それに一歩でも二歩でもという進める方法として、余りにも拙速に泉学園の計画の中に入り込もうとしたと言ったほうがわかりやすいのでしょうか。それは、私なりに町行政相談しながら進んでいるわけですけれども、大変反省しているところでございます。また、反省とともに泉学園の物の考え方を我々がどうのこうの言う立場ではございません。粛々と泉学園は計画について進めていくでありましょうし、我々もやはり我々の今の立場というものを考えながら、我々の立場で話し合いを進めていかなければならないのかなというふうに思います。ですから、行政は行政の立場で、これからいわゆる公開性を求めるのであれば、公開性を今これからでも形態を変えますけれども、そういう考え方の中で粛々と行政は行政なりに検討、協議をしていこうというふうに思います。

〇議長(室田憲作君) 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) 私もこの時点でどこまでの質問にするかも十分悩みましたけれども、常任委員会でもまだまだ継続審議となっている問題でもあります。はっきり言えば具体的な中身についての検討はまだされておりません。その入り口の段階でいろいろと議論が起こっているという問題でもありますので、いつまでも引き延ばすつもりもありませんし、かといって早急に決定してしまうわけにもいかない問題であると私自身も思っております。いろんな方面、またさらにいろんな住民の方々の意見も聞きながら、私自身対処していこうと思っておりますけれども、今後の方向というのか、日程的な、今24年度の予算について云々説明がありましたけれども、その決定、できるだけ早いほうがいいとは思っていらっしゃるのでしょうけれども、現時点で道への申請とか、予算措置とか、その辺のことを具体的に構想をお持ちであればその辺までお聞きしたいと思いますが、いかがですか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 現状でいいますと、申請が4月段階にまずございます。ただ、4月の申請の後に、安心こども基金でございますので、枠がございましたら、その後順次申請を受けるということになっております。
 以上です。

〇議長(室田憲作君) 質問、答弁、これがもう時間でございますので、最後にしたいと思います。
 2番、金木直文君。

〇2番(金木直文君) 1つ最後に、町長にその状況も含めて今後の進め方はどうお考えなのかお願いいたします。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 今泉学園のほうから役場のほうに来ている状況というか、課長のほうからお話あった程度のものだというふうに思います。ただ、状況としては24年度ということでの最後のチャンスというふうに見ておりますし、その後25年度以降総合こども園に移行するという形を今進めようとして、予算の関係で、財源の関係でスムーズにいくというふうに私は見ておりませんけれども、ただ長い期間をとりながら少しずつ移行していきたいという国の考え方にはその大小はあれ、変化はないのかなと。進め方に変わりはないのかなというふうに読んでおります。そういった状況が来たときには、羽幌町の保育園もカトリック学園も泉学園もすべて同じ総合こども園ということに対して考えなければならないという状況が来るわけでございます。そのときに今のところ、今現状では学校法人、幼稚園のほうが少し粘っていて、幼稚園でずっといわゆる文科省の管轄ですけれども、そちらのほうは今少し粘っております。ただ、少なくても保育園という部分については総合こども園というものの形の中に吸い込まれる形には99%なるということになります。幼稚園でもそう考えるところが出てくれば、そしてまたそれに対して運営上の優遇措置をするという流れの中で何年かかけながら移行して、最後に一本化の姿をつくり上げていきたいというのが今のプランだというふうに思っております。
 ただ、今私幼稚園に15年ほど勤めておりましたので、私のその時代の記憶の中というか、その時代に得た知識でお話を少しだけさせていただきたいと思いますけれども、幼稚園はいわゆる学校法人という非課税団体に指定されている法人でございます。全く営利というものを求めてはいかぬという団体でございます。それがために経理上では公認会計士を入れなければならないとか、さまざまな厳しい条件のついている法人です。そういった意味では、先ほどから利益誘導だとか、出資法人としてとかといろんなお話が出ておりますけれども、私自身は15年の経験から物を言わせていただくのであれば、学校法人というものは利益を追求する団体ではないということをご認識いただきたいなというふうに思います。また、営利事業100%だめだとは言っていません。そのかわりやるからには、やったからにはそれなりの監査法人が入りますので、それなりの税の対象となるというか、それは一般の方々の考え方と同じですけれども、都会にはいろんなタイプのものがございますけれども。それと、羽幌町の中で長年カトリック学園と泉学園、2つの幼稚園が成り立ってきたわけですけれども、そういった意味では地域に密着したいわゆるサービスの提供をしながら、それによって保育料は自由に設定できます、幼稚園は。幼稚園はできるのですけれども、それはやはりこの町の中で一定額というか、これ以上住民の方々、教育を求める、幼稚園に入られる方々に求めることはできないということで、カルテルではないですけれども、打ち合わせしながら、2つの幼稚園で今まで抑えて抑えてずっとこのときまできているのが現実であります。そういった意味では、地域事情というか、地域の中でのさまざまな考え方、流れというものもございますし、議員が先ほどからいわゆる営利法人というか、利益を求めるような法人というような言われ方何度となくしておりました。やっぱり外から見ている方ってなかなかわからないのかなというふうにも思いましたけれども、私のほうから私の15年の知識の中で得ているということだけでちょっとだけお話しさせていただきたいといって今ちょっとお話しさせていただきました。
 ただ、最後になりますけれども、先ほどの言葉ちょっともう一度言わさせていただきます。学校法人は学校法人なりの生きる道として、またこれから羽幌町の幼児教育も含めた、そして流れとして保育も含めた、就学前の子供たちには一定のやはり教育、保育を提供すると。今まで70年近い歴史の中でずっと羽幌町で一生懸命取り組んできた幼児教育というものを生かしたいということで、学校法人泉学園は今一つの方針として認定こども園に向けて取り組んでおります。そういう学校法人泉学園が今取り組もうとしていることに対しては、我々行政で何物も言うものもございません。そして、町の保育園について考えるのであれば、やはり我々が主体になって、町が主体になって一生懸命そのことをどうあるべき姿なのかというのは考えていくというのが基本であるし、今後先ほどから言われている拙速ではないのかということに対しても真摯に受けとめながら、これから羽幌町の保育行政というものを取り組んでいきたいというふうに思います。

〇議長(室田憲作君) これで2番、金木直文君の一般質問を終わります。

 暫時休憩します。

休憩 午後 1時58分
再開 午後 2時10分

〇議長(室田憲作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 私のほうからは1件、羽幌町における医療の現状と対策について、3点について質問させていただきます。
 昨年11月末、天売診療所長が病気療養のため離任いたしました。突然のことで、天売島民の皆様には医師不在という状況の中で大変不安な日々を過ごしていたことと思い、胸が痛む思いです。後任の医師が決まらない中、函館、そして留萌市立病院等からの協力を得、医師を派遣してもらい、診療体制を何とか維持していますが、冬期間フェリーの運航も1日1往復しかなく、天候によっては欠航になり、派遣医が島に渡れず、休診になったりする状況もあります。高齢化率の高い島民の皆様におかれましては、医師不在の状況は不安であり、大きな問題と受けとめます。
 また、道立羽幌病院におきましても今年1月から常勤の医師が1名退職し、4名となりました。常勤医の負担を軽減するために、内科の診療体制が今までの午前診療が3人体制から2人体制に、もちろん午後の診療体制は休診となりました。診療体制は縮小となっており、休日、時間外等の診療もすべての患者を受け入れることができなくなりました。救急体制だけは何とか維持されていますが、4人の常勤医の診療体制はまず最低限の人数と思っております。今回突然の天売診療所長の離任、そして道立羽幌病院の固定医4名という現状からも、羽幌町における医療体制は最悪な状況に陥ったことと受けとめております。北海道でも応援医師、常勤医師の確保に向け努力はされていますが、なかなか見つからない現状です。羽幌町としては、医師不足、医療体制の充実が大きな課題となっておりますが、今回の天売島の診療所の現状からも喫緊の問題と受けとめ、早急に対策を考える必要があると思います。このことから、次の点について質問いたします。
 1、天売診療所の常勤医不在となった事態について、町長としてどのように受けとめ、どのような対応策を考えてきたのでしょうか。
 2、今回留萌市立病院等他医療機関からの支援を受けましたが、今後他医療機関との連携も必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 3、医師確保において、医師研究資金などのほかに今後考えていることはあるのでしょうか。
 以上です。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 平山議員のご質問にお答えをいたします。
 医師不足が続いている現状につきましては、地域住民の不安が大きくなっておりますことを重く受けとめ、羽幌町としてもできる支援を考えながら実施しているところでございます。1点目の天売診療所の常勤医不在に係る対応策についてでありますが、昨年11月に道の担当者より天売診療所の医師が病気療養のため島を離れ、長期不在となることから、代診の医師を探しているが、見つからず、早急な対応が難しいという説明がございました。町といたしましては、島民の不安を最小限に抑えるため、必要な事項について協議をし、対応をお願いするとともに、11月28日と年が明けた1月12日には議会議員の方々とともに知事や関係部局に対し、医師確保についての要望を行っております。その後の診療体制でありますが、12月以降各医療機関等から派遣された医師による診療が続いておりますことから、継続的な診療や病状の経過観察ができない状況に加え、天候不良などによる医師の不在期間も多くなっております。これらの状況を踏まえ、IP電話により健康相談窓口についての周知や保健師による高齢者世帯への訪問を行い、不安解消に努めております。また、救急患者発生時の搬送につきましては、北海道、消防署、各医療機関と連携のもと、情報の共有を図り、体制を確立しております。一方、島内においては、天売支所との連携を密にしながら、住民の生活状況の把握に努め、健康相談に応じる体制を整備し、住民の不安軽減に努めております。
 2点目の今後の他の医療機関等との連携についてでありますが、町といたしましては直接他の医療機関に支援を求める立場にはありませんが、側面からの支援、協力をできる限りしていきたいと考えております。去る12月28日には、留萌市長と留萌市立病院長に面談する機会をいただき、協力に対するお礼と今後の支援についてお願いをしております。また、平成24年度には、姉妹都市であります石川県内灘町の金沢医科大学等において羽幌町に対する理解を深めていただくためのPR事業を予定しております。内灘町の協力を得ながら、広く町民の皆さんに羽幌町に対する理解を深めていただくとともに、医師の方々には当町の医療の現状を理解していただく機会となり、支援していただけるきっかけとなるよう期待しているところであります。
 3点目の医師研究資金などのほかに考えていることについてでありますが、医師研究資金等については町のホームページに掲載し、北海道の医師募集にリンクさせることにより、より一層の周知を図り、この制度を活用していただきたいと考えております。また、羽幌町に来ていただくことはもちろんですが、継続して勤務していただく環境の整備についても大切であると考えております。町といたしましては、着任してからの医師の勤務環境や精神的負担を少しでも軽減するため、道立羽幌病院横にドクターヘリの簡易へリポートを整備し、救急搬送の円滑な運航を支援するとともに、受診する患者の意識を変えていく取り組みの中で、緊急性のない夜間、休日の受診、いわゆるコンビニ受診の弊害などについて広報紙や各事業の中で周知し、理解を求めていきたいと考えております。医療機関として担う役割を果たし、維持していくために、住民もできることをしていくことが地域の医療を守ることにつながっていくことを一人一人が自覚することも大切と考え、機会あるごとに周知し、また情報収集しながら、医師の方々が求める生活環境や勤務環境等のニーズの把握に努め、より効果的な方法を模索していきたいと考えております。医師確保についての特効薬はなかなか見つかりませんが、圏域の町村と協力して要請行動を続けていくとともに、医師の勤務環境の整備に努力してまいりたいと思います。
 以上、平山議員に対する答弁とさせていただきます。

〇議長(室田憲作君) これより質問、答弁の時間は30分以内となります。
 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 再質問させていただきます。
 まず、1点目なのですが、天売診療所の常勤医不在となった事態について町長としてどのように受けとめておりますかという質問をしておりますが、ちょっとお答えがありません。もし考えていること、思いがありましたら、ちょっとお聞かせ願いたいのです。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 天売診療所の常勤医不在となった事態について町長としてどのように受けとめ、どのような対応策をとったのかということについてでありますか。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 済みません。1点目なのですが、対応策ではなくてどのように町長としてこの事態を受けとめているか、町長の思いなのです。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 診療所の相原先生につきましては、着任当時1週間ほどしけで島に渡ることができなくて、羽幌町のほうでいろんな関係施設等々に足を運びながら、そして天売に渡ったという経緯がございました。私もその中で何度となくお会いをしながら、お話をしておりますけれども、本当に島のことを思い、離島医療、過疎医療というものに情熱を燃やして島に渡っていただきました。そして、当初数年間いろいろな姿見ておりましたけれども、やはり島民の中に一体化したというか、本当に溶け込んで島民の中でもどんどん、どんどん信頼を積み重ねていったというお医者さんでございます。途中からいろいろと体調を崩すことも多くなりまして、徐々に大変な状況になって現在に至ったということでございます。島民の方々にとっても頼みの綱とでも申しますか、島の中で皆さんが高齢化進む中でも本当に安心して、お医者さんがいるということで、ある意味では島の環境、医療環境はもちろんですけれども、島の生活環境というところに大きな貢献をされた方というふうに思っております。その方がいなくなったということで、島民の方々にとっては非常に重大なことでもありますし、大げさな言い方ではないというふうに思いますけれども、やはり島のこれからの存続というか、島の中の生活というものについてはまことに重いことだというふうに思っております。そういった意味では、やはり今現在いろいろとお話をしている、気持ちだけでよろしいのであれば、私自身はそんな気持ちでおります。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) どうもありがとうございました。
 次に、対応策についてなのですが、お医者さんの不在時に保健師さんによる高齢者世帯の訪問を行い、不安解消に努めておりますということなのですが、この保健師さんによる高齢者世帯の訪問という活動、今までにはなくて、天売島のこの事態になってから初めて行った活動なのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 今までも高齢者のお宅にはお伺いして、状況を聞いていたこともございます。ただ、今回医師がいないということで、それをさらに拡大してその状況を見たということでございます。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) そのときに保健師さんは、島のほうには常駐していらっしゃったのですか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) 常駐はしてございません。まず、1回目は、12月の20日から22日まで留萌の保健所のほうから1名行って高齢者のお宅を見ております。その後羽幌町としまして1月19日から20日まで保健師2名、その後2月1日から2日まで保健師2名という形で、その状況を把握したということでございます。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 今回羽幌町の保健師さんにもすごく協力してもらったということで、本当に敬意を表します。
 次にですが、2点目の他の医療機関等との連携についてなのですが、私昨年の9月の議会でも質問させていただいております。そのときに町長からは、留萌市立病院と連携を組むとかも含めて考えていくというご答弁を受けております。ですが、今回の答弁では羽幌町として直接他の医療機関に支援を求める立場にはないと。側面からの支援、協力をしていくということなのですが、なぜ直接他の医療機関に羽幌町として支援を求めていくことができないのでしょうか。それは、羽幌病院が道立病院だからということなのでしょうか。本当に住民が困っている。大きな不安を持っているのです。やはり羽幌町ももう少し積極的に動いていただきたいと思いますし、それではなぜ平成24年度に姉妹都市であります内灘町の金沢医科大学等にPR事業を予定していて、支援をしていただけるようきっかけとなるように期待していると。私は、金沢医科大学病院に支援をお願いすることが悪いということではないのです。私としても大変いい機会だと思っていますが、町長の答弁から直接他の医療機関に支援をお願いできないということで、ちょっと矛盾があるのではないかなと思います。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 矛盾を感じられたということでございますけれども、そう思われたならば私の不徳のいたすところでございます。今申し上げましたとおり、本当にわらをもつかむ気持ちで医師を確保したいと。医師を探したいという気持ちで動いております。ただ、先ほどの言葉、矛盾を感じたというのは、道立病院であるがために道立病院のいわゆる決まりとか、道職員としての扱いだとか、そういうものがちょっと念頭にございまして、そういった意味では直接的に決めれるというか、そういうところまで、実際には候補者が見つかったり、積極的に来られるというような方が見つかれば、それは段階を置きながらきちっとした扱いとして採用という言い方おかしいですけれども、働いていただくことになろうというふうには思います。ただ、そういった意味を含めてちょっとそういう言い方になったのですけれども、誤解を招いたのであれば訂正したいというふうに思います。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 羽幌町に近い医療機関としては、やはり留萌市立病院だと思うのです。今回天売診療所の件については、留萌市立病院からも支援をしてもらっているわけです。留萌市長、そして市立病院長に面談する機会があり、大変よかったと思います。今後においては、さらに積極的に今回のことを機会にして留萌市立病院と連携を深めていくことが羽幌町にとっても大きなメリットと考えますし、求められているのではないかと思います。また、町内にも民間の医療機関があります。ふだんから連携をとり合い、緊急事態のときには支援を受けることも考えたりして、地元の医療、住民を守っていくためにはチャンスがあればどこにでも足を運び、顔を出し、そしてお願いをする。このような取り組みを何回もやっぱり繰り返していくことも必要だと思います。特に両島は医師が1人配置であることから、今後も今回の事態になることも考えられます。羽幌町独自でやっぱり緊急事態に備えた対策を立て、体制づくりを考えていく取り組みが必要と私は思います。道に要請しても早急な対応は本当に難しく、医師が派遣されるまでには時間がかかると思います。そんなときに羽幌町独自で緊急事態に備えた体制づくりがされていると、道のほうから医師が派遣されるまで何日間でも早く対応ができるのではないかと思いますが。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 確かに緊急時等で申しますか、お医者さんがいないような今のような状況になったときに、当初からきちっとした想定をしながら、こういう体制をとるというような基本的な形をつくっておくべきだというご指摘かなというふうに思います。医者がいればこんな問題も起きないということでありますけれども、やはり今回も天売でこういう状況になって、本当に相原先生に100%お世話になっていたということで安心し切っていたという部分もございました。がゆえにこういう問題が起きて、非常に我々もやはり右往左往したようなところもございます。そういったことも含め、今回のこういう状況も含めながら、住民が健康意識等々を持つことも大切なことでありますけれども、やはり保健師の体制、またほかのいわゆる行政として取り組める、もしものときのためにさまざまな健康志向ということも含めながら、取り組みというものを、基本的な形というものをきちっと取り組んでいかなければならないのかなというふうに思っております。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 次に、医師確保についてなのですが、私は医師研究資金等のほかに今後考えていることについてという質問をしているわけですが、何か私が求めているような回答になっていないと思いました。私の受けとめ方が悪いのか、町長のご答弁は現在の少ない羽幌病院の固定医の状況での対応策、また羽幌町が今取り組んでいることの説明にしか残念ながら聞こえていません。昨年やはり私9月の議会で医師確保に向けた取り組みということで、町民一丸となった行動を実現してほしいと質問させていただいております。町長からは、町民一丸となってどのような行動ができるか踏まえて検討していきたいとご答弁を受けております。ですが、今回の答弁の中にはこのことに関して触れられていませんが、検討はされていないのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 常任委員会でも平山議員のほうからご質問がございまして、全体、行政ではなく、町民全体で要請行動等ができないかということで、そのときもご質問受けたと思いますけれども、それで現状では署名活動をあわせて行うことも検討の中に入れさせていただくということでご回答申し上げていますので、その点だけ今考えているところでございます。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 羽幌病院の固定医の数なのですが、平成17年度には11名、そして19年度には7人、そして22年度から5名という、ましてまた今年1月には4名という状況になっております。特に平成22年度からの2年間の間に5名から4名という、本当に医師が激減しております。この7名から5名になるときの状況なのですが、羽幌町としての対応としましては平成22年の1月にまず道から医師の減員についての説明を受けている。その後に2月ですか、町長、議会議長、医療問題調査委員長、工藤道議等による要請行動をしております。その後に今度要請文を知事に提出ということをされていますが、22年の4月には残念ながら2名減員の体制で診療開始になっております。そしてさらに、8月に10月以降の医師の体制1名減員になるというまたまたの道から説明を受けております。このときも要請行動、要請文を提出しておりますが、22年の10月に4名体制という、これもまた残念ながら1名減となって診療開始されています。それ以降23年の1月から一時5名体制となった期間もありましたけれども、この24年1月の時点では本当にもう4名となっております。私がこういうふうに今申し上げているのは、この間2年経過しておりますが、町の対応としてはただ道からの経過説明、あるいは要請行動の状況報告だけに終わっているように私は感じております。結果、医師の補充、確保には至っていません。本当に町民の皆さんが大変不安に感じている医療問題です。残念ながら町長または行政の立場での積極的な対策、具体的な検討が示されているようには受けとめられませんし、そしてまた道立病院、道立診療所だからといって北海道任せでいてはだんだん医師は減っていくばかり。羽幌町の医療は守っていけないという不安が私にはあります。どうお考えでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 結果として、さまざまな取り組みの中で成果を得ていないという現実については私も認めざるを得ないということであります。また、その取り組みの姿の中で今まで3人ほどいろんなところから羽幌町の道立病院に勤めていただいたという結果はございますけれども、さまざまな事情でうまく回転していないという現実です。議員の立場からいろいろと地域医療を見ながら、さまざまなご指摘をしたのかなというふうに思いますけれども、やはり我々としては医師の確保ということであります。いろんな手を打ちながら、そして今現実では行政のみならず、議会の方々にも特別委員会をつくっていただき、そして議会イコール地域住民というような観点からするならば、全町挙げて医師確保についてさまざまな行動を起こしているというふうに思っております。ただ、このことについては形にならなければ何もやっていないということにもなるのかなというふうにも思います。ご指摘は真摯に受けとめます。しかしながら、本当に地域の医療の現実等をつかまえ、とらえながら、我々にできること、今さまざまな手を打っているところではございますけれども、これでより以上のまた取り組みがあるのであれば逆にご提案もいただきながら、我々の及ばない、我々の知恵で足りないところも議会の委員会等々、今本当にそういった意味では一つの目標に向かって特別委員会のほうとも取り組んでいるというふうに私は思っておりますし、どこまで我々ができるのかということも内に投げかけながら取り組んでいきたいというふうに思います。現実では余り形になっていないということでは反省の弁しか出ませんけれども、これからも本当に医師確保に向かって汗を流していきたいというふうに思っております。

〇議長(室田憲作君) 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 今回の天売島の件についても羽幌病院にもし固定医があと数名いたら、早急な対応ができたのではないかなと考えられます。やはり羽幌病院の医師の増員ということが大きな課題と思っております。また、羽幌町として地域ぐるみで何ができるのか考えることも必要であり、この間2年間要請行動、要請をしていてもやはり医師の確保につながっていないという結果なのです。まず、地元でできることから住民の人たちにも協力をいただくということで、先ほど福祉課長が署名のことを言われたのですが、再度提案させていただきたいと思います。まず、住民、離島含めて署名活動を起こして、要するに道に要請していただきたいのです。やはり地元住民の生の声を直接道のほうに届けていきたいという思いです。これは、平成29年度からまた新たな北海道病院事業改革プランが策定されます。どのようなプランが出てくるかわからないです。そのためにもやはり羽幌町の医師確保を求める行動を積極的にしていく必要があると思います。そして、署名活動もですが、羽幌町をまずしてもらって、場合によっては近隣町村の住民の人たちにも協力を求めて活動してもらう。と思っております。
 あと、もう一点、羽幌町出身で管外で活躍されているお医者さんも数名いらっしゃると聞いております。その医師のリストアップをして、羽幌町の窮状、または羽幌町が支援している内容を説明してお願いする。情報提供していきながら、常に羽幌町と連携をとり合っていくことも私は一つの方法と思っております。そうすることによって他の医師への広がりにもつながっていくと思います。要するに羽幌町独自の医師確保に向けた取り組みということで、この2点についてぜひお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 議員のほうから署名のことと、あと羽幌町出身のお医者様方との連携をとりながら、その広がりに期待をしたらいかがかということでございます。戦略的にいろんな医師確保ということでは大変に難しいことでもありますし、この形が実を結ぶのかどうなのかということもやってみなければわからぬというところもございます。また、今いろんな意味で行政主導ということではなくして、町民全体でいろんなことを手を打っていこうということを考えているわけでもございますし、民間の団体、いわゆる羽幌道立病院をサポートしていこうという団体もございますし、また議会の特別委員会もございますし、行政としての取り組みもございます。そういった意味では、いろんな、目標は一つですので、その方たち、その団体等々と今ご提案されたこと等をやはり検討材料としていかなければというふうにお返事をしておきたいというふうに思います。

〇議長(室田憲作君) そろそろ時間ですので、まとめてください。
 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 本当に羽幌町住民は病院のことが心配で、何回も言いますけれども、不安なのです。住民の気持ちを思うとき、可能性のあることには羽幌町として積極的に取り組んでいただきたいと思います。また、町長、行政、病院のこと何をしてくれているのだろうと、こういう厳しい住民からのご意見を私は何回も聞いております。特に高齢の人たちは、他の医療機関に通うのも大変だと。次期羽幌町総合振興計画での重点課題の一つでもありますことから、地域医療、医師確保に向けた羽幌町の取り組みの状況を常に住民にわかるように、不安の軽減に努めていくためにもお示ししていくことも必要と思います。いかがでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 私どもも住民の方に私どもの行っている行動等を広く知らしめたいと思っていますので、広報等で知らすこととします。

〇議長(室田憲作君) 最後となります。
 7番、平山美知子君。

〇7番(平山美知子君) 最後に1点。平成19年の3月の議会で、道立羽幌病院における地域医療の拠点病院としての医療充実を求める意見書ということが採択されて、北海道知事に提出されています。内容といたしましては、地域住民が不安なく受診できるよう、医師確保に全力を挙げて万全の診療体制をとること。2点目、医療圏内の自治体との連携をさらに図りながら、地域医療を充実させること。3点目、自治医科大学のように北海道立の医科大学である札幌医科大学においても卒業後の一定期間知事の指定する地方の公的医療機関での勤務を義務づけることができるよう、強く国へ働きかけることということが提出されています、北海道知事あてに。特に3点目の自治医科大学のように北海道立の云々という、この3点目のことについて意見書提出後、羽幌町長としてそれ以降知事に対しての要請等はしてきているのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 意見書についてだというふうに思いますけれども、それ高橋知事あてに、今ちょっと手元にないので、確認できないのですけれども、国に対する要望ということで書かれていることですよね。違うのかな。

〇7番(平山美知子君) そうです。知事あてに出した。

〇町長(舟橋泰博君) ですけれども、内容は国あてに、知事に向かってそれを国に言ってということだというふうに思います。私としてということよりも我々の地域の問題としてそういうことを知事あてに言って、知事のほうから知事の権限、知事の立場で国のほうに働きかけをしてくれという流れだったというふうに思います。北海道も医師の偏在ということも顕著に出ておりまして、やはり医師不足という地域のほうがもう莫大に広いわけでございます。そんな動きの中で、やはり北海道としてもその医師の偏在も含めた医師確保ということではいろんな要望、そして制度を変えるということも含めながら取り組んでおります。これ北海道ということではなくして、関係団体それぞれが動いているわけでございまして、今の意見書につきましては先日ちょっと道のほうからの書類で見せていただいたのですけれども、北海道町村会の中でも同じようなことで活動しております。町村会のほうに時々というか、よく顔出しもしておりますし、そういった意味では北海道町村会からの代表として今の要望は北海道のほうに言っていますし、北海道のほうから、ついこの間だと思いましたが、ちょっと私手元にあるのですけれども、国に対するさまざまな提言という形で、こういう制度はこう変えるべきだとか、いろんな細目にわたっての活動、要望や提言を出されております。そういった意味では、我々が知事に対して国に働きかけてきてくれということは、私のレベルではなくして全道レベルでもう動いているということでご理解いただきたいと思います。

〇議長(室田憲作君) これで7番、平山美知子君の一般質問を終わります。
 次に、5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) それでは、私から地域経済の活性化対策について質問をいたします。
 本年4月から第6次羽幌町総合振興計画がスタートしまして今後10年間のまちづくりを目指し、その計画の実現に向け全力で取り組んでいかなければなりません。しかし、長引く景気低迷の中、少子高齢化の進展、人口の減少、さらに商店の廃業、企業の倒産、縮小等で従業員の解雇など、雇用不安が広がり、深刻な状況となっております。特に人口は年々減少しており、新総合計画の平成33年度の想定人口は6,082人となっております。現在の人口、1月末では8,024人を少しでも減少緩和、抑制するための施策が必要不可欠であります。
 私が提言いたしますのは、企業誘致、刑務所施設誘致等であります。かつて昭和54年4月、本社が大阪にあります岡橋縫製工場を誘致しまして、北海道岡橋羽幌工場として、従業員は当初80名を雇用する企業立地でありました。平成12年の6月、会社の都合により21年間の羽幌工場を廃止、撤退となりましたが、この間多種多様な影響が町の活性化につながったのであります。当時他町村から豪雪の町、空港から遠い羽幌町に企業は来ないとささやかれたそうでありますが、住民の皆さんのご理解のもと、理事者や担当職員の熱心な努力で企業誘致は実現したのであります。
 さらに、法務省は刑務所の新増設方針を打ち出したことから、平成14年羽幌町も地域振興対策として刑務所誘致を行うための期成会を立ち上げ、20歳以上の町民を対象に住民署名運動が実施されまして、6,272名、81%という多くの署名をいただき、誘致活動を行いましたが、残念ながら候補地として選定されず、断念いたしましたけれども、住民、行政、議会、産業、経済、労働、奉仕団体など35団体のメンバーが一丸となって誘致活動に取り組んだ例は余りないのではないかと思います。企業誘致等は、税収、雇用を生み、地域経済の活性化につながります。今こそ元気な羽幌の実現に向けて誘致活動に取り組むべきことを提言し、質問をいたします。
 まず、1点目は、現在北海道では企業誘致に全力を挙げて取り組んでおりまして、高橋道政2期目の4年間で222件の成果を上げております。この中に羽幌町に立地の企業も1件含まれておりまして、現在43名が雇用されております。企業誘致は長期にわたる活動でありますが、今からでも遅くはありません。新年度から企業誘致に取り組むことについていかがお考えか質問いたします。
 2点目は、現在刑務所施設では高齢化が進んで、介護を受けなければ日常生活が困難な受刑者がふえていると同時に、高齢者専用施設が不足していると報道されております。当時平成13年から14年は、全国の50に及ぶ自治体が刑務所誘致活動を行ったのでありますが、その後は余り活発な誘致活動は聞かれておりません。先般旭川市が仮釈放者更生施設の誘致活動に取り組む方針と報道されております。我が町も官民一体で国の施設や企業の誘致活動を行い、地域経済の活性化を図ってはどうか質問をいたします。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 船本議員のご質問にお答えをいたします。
 1点目の新年度からの企業誘致への取り組みについてでありますが、羽幌町における企業誘致対策としては羽幌町企業振興促進条例がございます。これは、羽幌町内において事業場を新設または増設する製造業者に投資額の助成や増加した雇用者分の助成または固定資産税の課税免除等を行う制度であり、新設における最近の利用実績としては平成16年に操業した会社がございます。企業誘致によって得られる効果としては、雇用の場の確保や個人及び法人の税収増加が見込め、地域経済活性化への波及効果は相当あるものと思います。現在の羽幌町が抱える少子高齢化や人口減少、企業倒産による雇用不安等への対策として、企業誘致活動は積極的に取り組むべき課題ととらえておりますが、誘致される企業側から見てどんな条例が望ましいのか、羽幌町の企業誘致への取り組みとしてどんな体制が望ましいのか、これらを協議、検討しながら、今後の企業誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、2点目のご質問でありますが、昨今の刑務所施設の収容状況を見ますと、高齢化に伴う高齢受刑者専用施設の整備などが報じられている中、全体的な収容人員は平成18年をピークに減少、収容率では平成5年から14年に大幅に上昇したものの、平成17年から毎年減少し続け、22年度末では80.9%となるなど新たな施設の必要性は本町が行いました刑務所誘致活動のころから見ますと低くなっていると推察されます。また、平成19年からは社会復帰促進センターと呼ばれるPFI方式による刑務所が全国で4カ所ほど建設、開所されるなど、当時とは違った形態となってきております。一方、国では自立更生促進センターと呼ばれる刑務所仮出所後において親族や民間の更生保護施設などで受け入れ困難な受刑者を対象に国がその受け皿となり、確実な立ち直りと将来の犯罪の防止により社会の安全、安心の確保を図るための施設を全国に2カ所設置、運営しております。旭川市では、高齢化と担い手不足に悩む郊外の農業地帯を候補地とし、仮釈放者を農業ヘルパーなどで受け入れ、更生施設と地域活性化を両立させる構想で、この自立更生促進センターの誘致を目指し、本格的な活動に乗り出す方針であるとの報道が先月なされ、実現すれば道内での初めての施設となります。
 さて、ご提言いただきました我が町も官民一体で国の施設や企業の誘致活動による地域経済の活性化を図ってはどうかでありますが、1点目の答弁で申し上げましたことを踏まえながら、旭川市に見られるような事例などの情報収集や本町での実現の可能性を含め検討課題とし、地域経済の活性化につながるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上、船本議員に対する答弁とさせていただきます。

〇議長(室田憲作君) これより質問、答弁の時間は30分以内となります。
 5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) 前向きなご答弁をいただいたと思っておりますけれども、30分という私に与えられた時間がございますので、その時間の範囲内で私の熱意を伝えながら、5分でも10分でも質問をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の企業誘致についてでありますが、現在企業誘致対策としてはお答えのありました羽幌町企業振興促進条例に基づいて対応できるのだというお答えでありますけれども、まずこの条例は昭和60年の6月に制定されたものでありまして、その前は羽幌町工業開発促進条例が廃止されて、この条例が新しく60年に制定されたということでありますが、これちょっと私も勉強不足なのですが、担当課長さんのお答えで結構ですので、60年以降この条例は改正をされているかどうか、もしされているのであれば改正年度と内容、それから改正していなければしていないで結構でございます。お答えください。

〇議長(室田憲作君) 産業課長、三浦義之君。

〇産業課長(三浦義之君) 昭和60年に制定された羽幌町企業振興促進条例につきましては、制定時から改定はされておりません。

〇議長(室田憲作君) 5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) 改正していないということでありますから、これ制定されましてから27年たっているのかなと思っております。そうしますと、27年前であれば今から比較しても内容的にも精査をしなければならない時期だろうと思います。私ゆうべインターネット、うちの条例を見たのですけれども、その改正がちょっとわからなかったものですからお聞きしたのですが、今の条例であれば増設も新設も含めて設備投資は最高で200万、それから雇用関係についても1人10万で、頭打ちが200万ということであります。60年当時であれば200万というのは結構大きい金額だったのかなというように考えておりますけれども、そろそろこれも考えなければ、精査をしなければならないなと思いますのは、これ企業誘致だけでなく既存の事業者、地元の企業も含んでおりますから、大事な条例なのです。お答えでは、誘致される企業側から見てどんな条例が望ましいのか、羽幌町の企業誘致への取り組みとしてどんな体制が望ましいかと。そういうことを協議、検討したいというお答えでありましたけれども、この条例改正については他町村の支援、条例を参考にしながら、それと同時にまず羽幌町の体力を考えながら、他町村に劣らない魅力のある条例制定をしなければならないと思います。そこで、町長も各町村長さん方とお会いしたときに、この企業誘致も余り大きくはなっておりませんけれども、静かに企業誘致、刑務所誘致やっているのは事実であります。そこで、町長さん方と一杯飲んだときにも何かそういうようなお話があって、今度羽幌でやるときにはこういうものを条例の中に入れようというような舟橋町政のカラーというようなものを現時点でお答えできる範囲で結構です。思いつきで結構です。もしあれば、ちょっとお答えをいただければと思います。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 突然の質問内容でびっくりしておりますけれども、60年から企業振興促進条例変わっていないということで、何度となく目を通しておりましたけれども、この程度なのかなということであります。私が今思うには、いろんな立場から考えなければならないということもございまして、いわゆる企業は何でもいいだろうと、地元企業をまずは育成する、育てていくことが大事でないのかなと、それが本論でないのかなと思ったりもしているのですけれども、そういった意味では新たな企業を呼び込むと、誘致ということではやはり今ITと申しますか、そういったところは目のつけどころなのかなというふうにも思っておりますけれども、この動きは行政が動かなくてもあちこちで個人的に簡単に動ける職種なものですから、知らないうちにあちこち簡単にでき上がっていくような流れもございます。いろんな意味でさまざまな方々がいろんな関係で羽幌の町を見に来たりしているということもございます。いろいろな資源というふうに言ったらいいのでしょうか。そんなあからさまに言うことではないのかもしれませんけれども、そういったいろんな動きの中で、やはりそういう情報をつかむこともございますし、そういったところではそういうところに協力体制というか、その内容も含めながら入り込んでいくということもある意味では企業誘致につながっていく一つのチャンスなのかなというふうにも思っています。議員の質問にはちょっと満足のいかない回答かもしれませんけれども、今のところはその程度だというふうに思っていただければと思います。

〇議長(室田憲作君) 5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) 町長は、地元の企業非常に大事だと。私もそのとおりだと思います。同時に企業誘致もやらなければならないという町長の考え方も示されましたので、私はそれ以上は申し上げませんけれども、まずこの条例をつくる段階で、うちの役場の職員というのは本当に優秀な方ばかりが集まっている職場であります。皆さんで知恵を出し、そしてアイデアを出して、この過疎地域の我が町にも企業が来る、来たいというような魅力のある条例を制定していただきたいと思います。それには、ちょっと質問と離れますので、議長に注意を受けるかもわかりませんので、受ける前にお話を申し上げますけれども、水道料金の問題、これが企業から出たことがあります。水道料金が高いと。それで、水道課のほうでもう少し下げれないかとかなんとかという要請もしたようなことを聞いておりますけれども、これは水道課へ言ってもだめなのです。水道料金というのは、ご存じのとおり企業会計でありますから、これは独立採算制の会社であります。自分たちが一生懸命働いて借金を払い、そして職員に給料を払っていると。こういう独立した会社でありますから、ここで水道料金を下げれと言っても無理なのです。あれだけの大きな事業をやって住民においしい水を提供しているわけでありますから、これはやるのであれば一般会計のほうで考えて繰り入れするだとか、例えば住民の水道料金が今もう全国的にうちは高いほうです。一般質問もありましたけれども、それをやるのであれば会社に言ってもだめなのです。やっぱり一般会計の一般のほうで、羽幌町のほうで、企業会計は別として、そっちのほうで考えて1,000万円でも2,000万円でもそちらの会社に繰り入れるから水道料金を下げてくれと言わなければこれは無理なのです、この会社に言っても。というようなこともありましたし、今いる企業も京極町へ行くと。一時そんな話もありました。水がすごくいいのだと。それから、そういう企業誘致に対する姿勢もすごくいいと。今おさまりまして、そこら辺町長も一生懸命努力されたと思うのですが、今どんどん頑張ってやっておりますから、水道料金なんか、例えばそういうようなことも含めながら条例改正に向けて進んでいただきたいと思います。それはお答えは要りません。
 それでは、2点目の刑務所施設の誘致でありますけれども、収容人員、収容率についてはお答えと私のほうとは若干のずれがございます。なぜずれているのかということで、ゆうべは私も遅くにインターネットを調べたのですが、これは資料として矯正統計、それから刑務所白書、インターネットでもいろいろ出てくるのですけれども、そういう違いで私と答弁とちょっと違いがあるのかなと。私は、その数字に対しての質問ではありませんので、こだわっておりませんので、それはそれで結構ですけれども、どちらにしても収容人員、収容率については現在は過剰収容だと。これは、言われているのは間違いありません。そしてまた、ここ数年収容率がやや下がってきているというのも、これはお答えしておりましたけれども、そのとおりでありますけれども、収容率は依然として100%を超えて常にパンク状態なのだということは言われております。刑務所誘致も1点目の企業誘致と同じく、長い期間の取り組みが必要であります。現体制の片手間ではなく、片手間ではなかなかこれは大変です。また、現在羽幌町も多くの課題を持っておりますから、町長の政策的な業務を、これは道立病院の先生も入れてもいいでしょう。そして、企業誘致だとか、こういうものをもう全部町長の政策的な業務を一括取り扱う管理職を専任して前向きに取り組むと。町長、考えはございませんでしょうか、お答えください。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 議員の質問については、いわゆる重要課題等々、企業誘致を含めながら専任の部署を設けたらいかがかというふうにお聞きしたのですけれども、よろしいですね。

〇議長(室田憲作君) 5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) 専任の部署というのではなく、これはほかの町村もやっています。専従者というのですか、専任という言葉使っているのですけれども、管理職を専任させていると。町長の政策的なことをやる。わかりますか。ということでございます。よろしくお願いいたします

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 部署という言葉使ったから、ちょっとおかしい話になったのかなというふうに思いますけれども、専任を置いたらということだというふうに思います。過去においても羽幌町での行政として重要課題とかありましたら、その兼任ということにはなったのでしょうけれども、やはりそのことについて担当として取り組んでくれと、管理職の立場で。過去にも何度となくそういう取り組みはしたことはございます。ただ、今言われていることについてすぐという考え方ではなくして、我々もそうなりますとやはり非常に人材的なことだとか、そのときのさまざまな配置等々いろいろと考えなければならないことがたくさんございます。そんなことも加味しながら、そして必要とあればそういうこともあり得るということでもございますし、今何がと、刑務所ということを1つ出すのであれば、まだ調べてみなければそれがどの程度の可能性のあることなのか、取り組むべきことなのかということにも論議にもなりますし、今議員がおっしゃられたことについてはいつも気持ちの中では持っているというふうにご理解いただきたいなというふうに思います。

〇議長(室田憲作君) 5番、船本秀雄君。

〇5番(船本秀雄君) 刑務所だけでなく、企業誘致、それからいろんな課題が今羽幌町であるわけでありますから、町長の政策的なことを一括やらせるという専任者を置いてはどうかということであります。即お答えはできないと思います。ぜひご検討をして、実現に向けてやっていただきたいなと思います。いろいろありますけれども、最初の町長の答弁で今後我が町にも企業誘致、企業立地に全力で取り組むと。舟橋町長の強いメッセージを住民の皆さんにお伝えしたわけであります。一日も早く体制を整え、実現に向け取り組んでいくことを期待し、私の質問を終わります。

〇議長(室田憲作君) 答弁は要りませんか。

〇5番(船本秀雄君) 要りません。

〇議長(室田憲作君) 以上で5番、船本秀雄君の一般質問を終わります。
 暫時休憩いたします。

休憩 午後 3時15分
再開 午後 3時25分

〇議長(室田憲作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 町行政について、私から2点についてお尋ねします。
 1件目、今後の高齢者に対する包括支援について。昨年12月に羽幌町内で町内在住の高齢者が関係する事件が起こりました。1つは、高齢者が徘回で行方不明になり、多くの関係者、役場職員、警察、消防なども捜索に当たりましたが、残念なことに翌日雪の中で発見されました。また、もう一つは、老夫婦が自宅でみずから命を落とすという悲しい事件もありました。羽幌町では、人口における65歳以上の割合が35.6%となり、約3人に1人が高齢者となっています。こうした現状を踏まえ、今後も高齢者による痛ましい事件や事故が起こらないように対策をとることが求められると考えられます。そして、町民全体の課題として各関係者や組織が連携し、情報を共有しながら行動していくことで未然に事故を防ぎ、素早い対応がとれると思います。高齢者の方々も含め、町民が安心してこの地域に暮らしていけるように行政の積極的な働きかけが必要だと考えます。
 そこで、次のとおり質問します。1、町民、行政、警察や消防とは現在どのような連携が行われており、今後それぞれの役割と課題は何か。
 2、平成12年度から羽幌町はいかい高齢者SOSネットワークが組織されていますが、今後より迅速に組織立って行動するためにどのような具体的な活用を考えているか。
 3、高齢者への生活や福祉等の現状の把握や実態調査を行う予定があるか。
 4、行政と福祉団体や民生委員、町内会などとの情報の共有と連携、活用はどのように行っていくか。
 続いて、保育園建て替えにおける行政の説明責任について。昨年9月、12月の議会一般質問でも取り上げられ、文教厚生常任委員会でもたびたび長時間の議論が行われている保育園の建て替え問題は、子供を預けている親だけではなく、町民の大きな話題となっています。先日も委員会内で副町長が町民の中に誤解やうわさがあり、十分に説明しなくてはいけないとの発言もあり、行政でも町民の関心を認識していると思われます。誤った情報によって混乱する状況では、今後の議論にも影響があり、また保育に携わる職員、子供を預ける親にも不安が広がるおそれがあると思われます。この件で今後の行政への不信感が起こることがないように、町長みずから町民への十分な説明を行う責任があると考えます。
 そこで、次のとおり質問します。1、保育園の建て替えについて、現状はどのような段階にあるか。
 2、学校法人泉学園の計画をいつ知ったのか。
 3、民間か公立か、財政状況だけの議論ではなく、教育、福祉を包括的に踏まえた検討がどのように行われているか。
 4、老朽化した保育園の建て替えがおくれるのであれば、保育環境の改善のためにも修繕などを行っていく必要があると思うが、どうか。
 5、町民への説明責任をどのように果たしていくか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 小寺議員のご質問1件目、今後の高齢者に対する包括支援についてお答えをいたします。
 1点目の町民、行政、警察や消防の連携と今後の役割と課題について及び2点目の羽幌町はいかい高齢者SOSネットワークの具体的な活用については、内容が重複しますので、一括して答弁させていただきます。初めに、昨年12月に発生した行方不明高齢者の捜索に際しまして、警察、消防を初め関係機関、福祉団体、協力会社、民生委員、方面委員、町内会役員、町民の皆様のご協力に感謝を申し上げます。しかし、残念ながら悲しい結果となってしまいました。これまでの行方不明高齢者の捜索のケースでは、幸いにも比較的短時間で無事発見されており、行方不明者が死亡で発見されることはありませんでした。今回の捜索では、日没が近かったことから、方面委員や町内会に対する捜索依頼や捜索の迅速化、目撃情報の集約方法、消防の放送や巡回車による放送がよく聞き取れないなど多くの課題が明らかとなりました。これらの課題を解決し、高齢者を無事に、また早期に居場所を発見するため、羽幌町はいかい高齢者SOSネットワークの体制を見直すことといたしました。1つ目は、関係機関との役割分担を明確化し、特に羽幌警察署、消防署と羽幌町の3者で対策本部を設置し、SOSネットワークにおける主導的な役割を果たします。これにより指示系統と情報の集中が明確となり、迅速な対応が可能になると考えております。2つ目は、徘回高齢者等の事前登録制度を進めます。3つ目は、捜索協力機関と羽幌町で協定を結び、捜索情報の迅速な伝達指示と個人情報の管理に関してルールをつくります。4つ目は、町民への制度の周知に努めます。特に徘回高齢者の登録のPRとともに、協力機関との協定締結に向けて新聞販売店やガソリンスタンドなど対象を広げて協力機関が町内を網羅するよう広報紙やホームページ等を通じてPRをしてまいります。これらの制度見直しにより関係機関の役割が明確化し、町内各事業所の協力を得て早期に居場所を発見するための支援体制が構築されることで、介護する家族の負担軽減と認知症高齢者等が住みなれた地域で安心して穏やかに暮らせるよう努力してまいります。
 3点目の高齢者の現状把握や実態調査を行う予定についてでありますが、現状は羽幌町における介護サービスを受けている方やほかに何らかの福祉サービスを受けている方の情報についての把握にとどまっております。それらのサービスを受けていない方については、特定健診や健康診断等で受診時の面談などから状況把握に努めているものの、思うように把握できない状況にあります。一方、昨年9月に実施した日常生活圏域ニーズ調査において、高齢者個人の生活状況についてアンケート調査を実施いたしましたので、これらを参考にしつつ戸別訪問等を実施し、現状の把握に努めたいと考えております。
 4点目の行政と福祉団体や民生委員、町内会などとの情報の共有や連携についてでありますが、今回制度改正するSOSネットワークを活用していく中で、各団体との意見交換を進めつつ、総会や会議等の場所でSOSネットワークの周知とともに、行政とのコンタクトの少ない方々の情報を収集するなど、できることから進めていきたいと考えております。また、社会福祉協議会において各町内会単位で選任する地域福祉推進員との連携についても活用の道を探ってまいりたいと考えております。
 次に、2件目、保育園建て替えにおける行政の説明責任についてお答えをいたします。1点目の保育園の建て替えの現状についてでありますが、9月定例会で保育園についてはこれまで国の動向を見ておりましたが、子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめが示されたことにより結論を出す段階に来ていると答弁させていただきました。現状は、児童福祉施設検討委員会にこれまでの経緯を説明し、運営を含めた施設設置について諮問している状況にあります。国は、平成25年度から新システムを導入し、平成27年度をめどに幼稚園と保育園の機能を一体化した総合こども園の創設を予定していることから、町が運営する場合にあっても幼稚園機能を備えた保育園の整備となるため、検討委員会の答申を受けた後、町の方針をまとめる予定としております。
 2点目の学校法人泉学園の計画をいつ知ったかについてでありますが、泉学園からは12月12日に認定こども園計画の提出があり、翌13日に知りました。
 3点目の教育、福祉を包括的にとらえた検討についてでありますが、国は子ども・子育て新システム検討会議において専門家による検討を行い、1月31日に親の経済状況や幼少時の生育環境によって格差が生じることがないなど子供の最善の利益を考慮し、幼児期の学校教育、保育のさらなる充実、向上を図るとともに、すべての子供が尊重され、その育ちがひとしく確実に保障されるよう取り組むとして基本制度の取りまとめを行ったところであり、町といたしましても国の施策にあわせ、町の実情に照らし合わせた検討を進めております。
 4点目の建て替えのおくれに伴う保育環境改善のための修繕についてでありますが、現状の建物での環境悪化が起きないよう修繕の必要なところについては適宜対応しているところであります。
 5点目の町民への説明責任についてでありますが、国のこれからの施策も含め、2月に開く予定でありました保育園の保護者に対する状況説明、また先ほども答弁しましたが、すべての情報を公開し、町民に理解をいただこうと考えております。町のすべての就学前の子供が親の就労の有無にかかわらず、平等な教育、また保育を受け、幼児期における人間形成の基礎を培うことのできる環境の確保に努めてまいります。
 以上、小寺議員に対する答弁とさせていただきます。

        ◎会議時間の延長
〇議長(室田憲作君) お諮りいたします。
 本日の会議時間は、議事の都合により、この際あらかじめ延長したいと思います。これにご異議ございませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇議長(室田憲作君) 異議なしと認めます。
 したがって、本日の会議時間は延長することに決定しました。

    ◎一般質問(続行)
〇議長(室田憲作君) これより質問、答弁の時間は30分以内となります。
 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) それでは、2点についての再質問をさせていただきます。
 まず、1点目、高齢者に対する支援の件ですが、昨年12月、先ほども述べましたが、議会開催中にもかかわらず、町民の皆さんを初め、特に役場の職員の皆さんが本当に夜の遅くまで、そして翌日は朝早い時間から本当の羽幌の狭い路地から歩いている姿を拝見して、町民の一人として役場の人が一人の町民を捜すために動いてくれたということはうれしく思いますし、またほかの町にはない温かさを感じた出来事でした。ただ、残念なことに翌日雪の中で発見されたということがありました。それが起こりまして、先ほども質問の中にありましたが、羽幌町はいかい高齢者SOSネットワークについて本当に素早い対応というか、新しい組織づくりをより具体的に討議してもらうということで、会議が行われたようですけれども、その新しい組織での具体的な、今会議の途中だとは思いますけれども、実施時期というのは今のところ計画の中では出ているでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長補佐、江良貢君。

〇福祉課長補佐(江良 貢君) この件に関しまして、現在要綱を整備中でありまして、3月中には法規審査委員会を経て、4月1日施行ということで考えております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) ぜひ早く、本当に人の命がかかわる問題でもありますし、それを救うネットワークとして前回にない新しい規格というか、形で行うと思いますので、より現実的なもので進めていっていただきたいと思います。
 続いて、答弁のほうにもありましたが、実態調査が思うように把握できていないという答弁がありましたが、その理由がもしおわかりになれば教えていただけますか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長補佐、江良貢君。

〇福祉課長補佐(江良 貢君) 把握できていない理由でありますけれども、実際町といたしましては介護サービスですとか、あるいは福祉サービスを受けている方々についてはある程度情報が集約できますけれども、現在それらのサービスを利用していない方々については先ほど町長の回答でもありましたとおり、なかなか情報が集約といいますか、収集できていない状況にあります。現在は、地域包括支援センターを中心として介護に準ずるような方々をピックアップしながら、そのためにニーズ調査等を行った結果もありますけれども、そういうものを参考にして、それぞれの方々、そういう準じる方々に対しまして戸別訪問等で対応をしていきたいというふうに考えております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) さまざまな、今把握できている方はいいと思いますが、今本当に把握できていない、どんな方がどんなことで困っているのか、それをやっぱり知ることがまず最初に大事だと思います。その知った後、具体的に活動していくわけですけれども、情報を得てそれでおしまいというのではなくて、その情報をどのように活用して、12月に起こった、2点目に私も触れました老人夫婦がみずから命を絶つというようなことがないような活用の方法というのを今もし具体的に考えているのであれば教えていただきたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長補佐、江良貢君。

〇福祉課長補佐(江良 貢君) そういう補足をされた人方、される予定の方々も含めまして、現在地域包括支援センターでは介護予防教室ですとか、あるいは転ばん塾といったような、そういう健康教室等々を企画し、そういう体制の中で進めていきたいというふうに考えております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 先ほども答弁の中でありましたけれども、地域福祉推進員との連携ということで活用の道を探っていくという答弁がありましたが、自分としては地域に根差した活動をされている民生委員の活動をうまく利用するという形で、言葉ではちょっとおかしいとは思うのですけれども、うまく連携してお互いの情報、民生委員が持っている情報、町が持っている情報をきちんと並べてと言ったら変ですけれども、共有して、本当にだれがどういう苦労をしているのか、どういう悩みを持っているのか、そういう連携が今以上に必要だと思います。答弁には民生委員とのかかわりは触れられていませんが、町としては今後民生委員とのどのような連携を図っていこうと考えられますか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 民生委員の方には、一定の条件をクリアできれば町の情報を出せるという形になっています。それで、個人情報保護審査会を通さなければいけませんけれども、今後の課題として一定の条件をクリアできれば情報の公開を考えていきたいとは思っています。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 民生委員は、ほかのいろんな役職とは少し違っていて、自分も少し調べましたが、厚生労働大臣からの任命を受けているということで、その方々にも守秘義務は課せられていることもあります。町としての情報公開の申請をしていくというのをやっぱりお互いのところでもっとそれを簡素化できないかというところで考えていただきたいなと私のほうは思います。何度も言うように、今後防災マップもできます。そのときにだれがどこに住んでいて、どんな補助が必要で、どういう手助けができるかというところまでつくり込んでいかないと、ただのマップで終わってしまう気がします。同じ町内会に住んでいてもどこにおじいちゃんやおばあちゃんがいて、逃げるときはどう手伝ったらいいのか、そういう情報も含めて民生委員、町内会も含めてですけれども、今以上の連携をお願いしたいと思います。この件について町長としては、今後協働という言葉でよく言われるのですけれども、行政と町民と情報もいろんな壁はあるとは思いますけれども、その中でどのように進めていきたいか、教えていただきたいと思います。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 今議員のご質問なされたこと、いわゆる最近あちこちで発生しております孤独死、孤立された方々のさまざまな事件とか、今回羽幌で起きましたこと等を含めながら、やはりいろんな意味で障がいを持つ方も含め、そういう方々の見守り、また安否確認、そしてそれらを何とか社会生活の中で守っていくということの連携をどうしていくのかというようなことかというふうに思います。おっしゃられた民生委員、町内会の方々というのは、本当にその地域に密着した方々でありますし、そういったことでは少なくても近隣に住む方々、その地域に住む方々の状況というのは押さえていると、今言った防災面、また日常の生活面からも非常に優位に動くことができるのかなというふうに思います。課長のほうから言われたとおり、制度上いろんなことが出てくるのかなというふうには思いますけれども、やはりいっとき情報公開、情報の話が出たときにあちこちで非常にふぐあいが出てきた部分がございました。そういった意味では、事人の生活、また人の命にかかわるというところにもつながる非常に重要なことでございますので、規律を守りながら、そして地域の方々の生活を守るという観点から、できることの範囲をやはり積極的に我々も取り組んでいかなければならないというふうに考えております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 積極的に行うということは、前向きに進んでいくということで私は理解しました。ぜひ地域の羽幌の住民のために、本当にいつ防災、いろんなことが起こるかわからないと思いますので、担当課を含めて関係者とより具体的な話し合いをどんどん行っていっていただきたいと思います。
 続いて、保育園について、保育園建て替えにおける行政の説明責任についてお伺いします。答弁の中で幼児期における人間形成の基礎を養うということのできる環境の確保に努めてまいりますと。環境確保にこれから努めていくという答弁がありましたが、現在の保育園はその環境にあると思われますか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 環境確保という言葉を今議員がおっしゃられたのは、いわゆる外見的な環境ということなのかなというふうに思います。私が答弁で答えたのは、いわゆる教育と保育というようなことも含めながらの子供たちの健やかな育ちを助けるというような意味での環境ということでとらえていただきたいというふうに思います。ただ、今の保育園がその環境にあるかどうかということでございますけれども、建物だとか外的環境ということでいうのであれば、確かに年数もたっておりますし、あちこち少しずつ直しながらやっているということでは十分ではないというふうに思っております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 何度も、前回9月の質問したときもそうですし、その前の段階からも老朽化の話題にはなった時点で修復なり改築なりを急がなければいけないということで、今のご答弁も施設的なもの、老朽化で十分ではないということでおっしゃいました。そして、自分が4点目の質問の中で、もしそれがおくれるのであればまず修繕も必要なのではないかという質問で、環境悪化が起きないように修繕が必要なところには適時対応するということで答弁されていますが、24年度修繕する予定はありますか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) 24年度につきましては、備品のみでございます。23年度に給湯、お湯の出るような設備をつくりました。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 23年度には給湯器を入れたと。それも修繕の一つとは思うのですが、根本的に建物も古いですし、トイレ、床、壁、屋根、屋根は何年か前にすべて張りかえたことはあるとは思うのですけれども、本当に環境は最悪だと私自身も思います。もしそういう認識であるのであれば、まず今現在町営として、町立として運営しているわけですから、そこの改善を急ぐべきだと思いますが、その点はいかがですか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 先ほど答弁の中で23年度に給湯設備と答弁しましたけれども、22年度の間違いでしたので、訂正をお願いいたします。23年度は、網戸とストーブ等でございます。
 あと、今のご質問ですけれども、羽幌町といたしましては今現状の施設の改築につきましては、今回3月の2日に先ほどの金木議員のご質問にもございましたけれども、国の制度が確定というか、法案を今年度の議会で出すような形になってございます。今後羽幌町の保育を見た場合、今後の国の施策から考えていくと幼稚園教育、要するに教育部門もあわせた保育施設が必要ということになりますので、今すぐに施設の改修と、保育部門だけの改修というのはなかなか難しいと考えておりますので、結論を今児童福祉施設検討委員会に諮問していますけれども、そこの結果が出た後、町として考えを決め、その後に委員会、議会をかけて考えを決めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 昨年の12月の金木議員の答弁で、町営で建て替えをするにも最低でも2年から3年はかかるのでないかというようなことの中で、今の課長のスケジュールでいくとここ一、二年で決定してどうにかなるという段階では考えられないと思います。もしそうであれば、今の既存の施設を今よりもよい環境にすることがまず大事で、もちろん国のシステムもありますけれども、その前にできることはあったはずだと思います。過去自分が調べた中では、平成14年度ぐらいからの質問等でたびたび修繕なり改築なりの話が出ているにもかかわらず、この24年まで何も大きな進展がなく過ごしてきた原因は、国の政策の動向ではなくて町の進め方にあると思いますが、いかがお考えですか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) 今課長のほうからちょっと出ておりましたけれども、いわゆる平成15年あたりから国の制度がいろいろと動き出しました。そんな中で改築問題というものはずっと引っ張ってきていたところは事実でありますし、そういった意味ではその制度がどうなるのかと。先ほど金木議員のときにもお答えいたしましたけれども、やはり非常に町としては重要な部分を占めている国の考え方ということもございました。そんな中でその状況を見ながら、現在に至っているということでございます。その間でもやはり大規模改修ということは、我々にとってはそういう流れの中では考えられないというようなことで、小規模な本当に備品関係も含めた小さなものについては先生方からの要望もございましたし、いろんな意味で手をかけてきたというところでございます。今こういう状況になって、話し合いがこれからなされていくということでございますけれども、事学校や何かでも同じですけれども、大規模改修ということになるものと小規模の本当に今先を見ながらさまざまな取り組みをしていくということではやはり非常に我々も考えるところでございますし、そういった意味では今の検討委員会の中での今後のあるべき姿ということが論議されるということもございます。そんな中で方向を見つけていくことだというふうに思っております。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 何度も言いますが、やはり時間がかかり過ぎています。先ほどの高齢者のSOSネットワークについてはこんなに早い対応ができたのに、なぜ保育園に関してはこんな10年もかかったのか不思議で、やっぱり老人も子供もそうですし、本当に弱い立場の人のためにあるのが、最低限のそういう生活や環境を守ることが町としてやるべきことだと私は思っています。もしこれ以上延びるのであれば、一日も早く今の環境をよりよいものに改善できるように政策を打っていただきたいと思います。
 もう一つ伺います。今後今検討委員会に諮問されていますが、それを受けて町長なりが判断していくということになると思うのですが、民営化、最近特に町長はよく言われますけれども、民にできることは民にという言葉だけが結構走って、本当に町がやらなければいけないこともあるのではないかと私は思っています。今後検討する中で、町営の保育園というものをつくるとどういうふうになっていくか。どこにどういうふうに建てていこうかと、そういうことも踏まえつつ、話も進めていっているのではないかなと思うのですが、町営での建て替えを含めたシミュレーションは行っているのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) 先ほど答弁させていただきましたけれども、国の制度が2015年、平成27年から3カ年をかけて総合こども園になるという形で現在動いてございます。そうしますと、羽幌町の保育所だけの建て替えという形にはなりません。幼稚園部門、先ほども申しましたけれども、教育部門をあわせた形の施設をつくらなければいけない形になりますので、その部分で保育所だけの建設ということは考えてございません。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 今言ったのは、建て替えだけの問題ではなくて、そういう町がこども園を運営するということのシミュレーションは行っているのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) お答えいたします。
 結果が町で総合こども園をやるという結果になりましたら、その段階で考えていきます。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) 現段階では、そのシミュレーションも行っていないと。検討委員会で答申が出されて、町で検討して、町長が決断して、それから改めて民営化なら民営化、民営化というのですか、町営なら町営のシミュレーションを組んで決めていくという流れで正しいですか。

〇議長(室田憲作君) 福祉課長、鈴木典生君。

〇福祉課長(鈴木典生君) そのとおりです。

〇議長(室田憲作君) 3番、小寺光一君。

〇3番(小寺光一君) その手順でいくと、やはりもうあと何年かかるのだろうというところが不安になります。町がやるからそれだけ時間がかかるのか、民でやったらもっと早くできるよということなのか、それはよく私自身も理解はできないのですが、自分としてはやっぱり町としてある程度シミュレーションを組んだ中で、結果が出たときにすぐ動けるような体制というのは必要なのではないかと思います。
 続いてですが、2番目の質問になります。計画をいつ知ったのかということで、昨年の12月の12日に知ったという答弁がありましたが、昨年12月15日の一般質問で、金木議員が一般質問の中で町内にある2つの幼稚園の動向について直接の回答は触れられていなかったと。その前の段階では、町内の情報があればこの場で明らかにしてほしいということで質問があったにもかかわらず、結果として何も触れられていませんでした。町長は、13の日にその情報を知ったにもかかわらず、15日のその質問に関してなぜ泉学園が行うという情報を提供しなかったのでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) いつ知った、知っていたのではないかというようなことでは、確かに12日に提出されて13日に見ております。そして、議会がありました。情報として知っていました。金木議員の質問について、その答えるべき質問がなかったと言ったらいいのでしょうか。積極的にそれをお話ししなければならないということがなかったように私は記憶しております。というのは、今小寺議員が言っていることとちょっと違うような気がするのです。私たちもその情報の中ですべてを把握していたわけではないのですけれども、そういうものが出てきたということだけの報告を受けておりました。ただ、答えるべきことならば、別に出てきていることは隠す必要ないよということで、そういうスタンスでおりました。ただ、それを答える質問というか、こっちから積極的に実は来たのですよというような質問の内容はなかったというふうに我々議会の後での検証というか、話の中でされておりますし、私の記憶もそういうふうにして今とらえておりますけれども、どういうあれだったのか。

〇議長(室田憲作君) 残り時間3分です。まとめてください。

〇3番(小寺光一君) 答弁の中できちんとそういうふうに触れられているので、ぜひもう一度検証していただきたいと思います。もし事前に知っていて、13日に知ったということであるにもかかわらず、15日のときにあえて情報を出さなかったのであれば、今後自分の質問の中にもあったように町民の誤解や疑惑がどんどん膨らんでいく一つになるのではないかなと心配しています。
 最後に、もう一つ質問して終わりたいと思います。町長は、先ほどの金木議員の話の中でもありましたが、泉学園が独自に行う事業に対して町は関与しないよという話がありましたが、町長ご自身は泉学園サイドで何らかの関与というのはあったのでしょうか。

(何事か呼ぶ者あり)

〇3番(小寺光一君) それなら続けます。これは、何でこのような質問をしたかというと、今後町長が町長として、公人としてこの泉学園の決定、羽幌町の保育園をどうするかという決定をする立場にあると思います。と同時に、先ほどの質問の中でありましたが、肉親というか、の中で経営されているところで、町長が公人としては協力はしていないかもしれないけれども、私人としては例えば情報の提供だとか、さまざまなそういう意味での関与、口ききがあったかないかはわかりませんが、そのような手伝いを含めてあったとすれば、幼稚園側に協力をしつつ、最終決定は町長サイドとして、行政として決断をするというのはどうしてもちょっと私的には理解できません。そこの公と私とあるとは思うのですけれども、その辺のすみ分けを含めて町長は泉学園に関与しているでしょうか。

〇議長(室田憲作君) 町長、舟橋泰博君。

〇町長(舟橋泰博君) あくまでもそういう見方をされる議員の考え方というものも、やはり私のスタンスといたしましては羽幌町の町長でありまして、羽幌町の行政、そして羽幌町の保育園ということでの考え方でおります。確かに15年間勤めていたところかもしれません。そして、兄が理事長という立場でいるのかもしれません。しかしながら、自分は自分の立場をわきまえて動いているつもりであります。

〇議長(室田憲作君) これで3番、小寺光一君の一般質問を終わります。

    ◎散会の宣告
〇議長(室田憲作君) 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会します。
(午後 4時08分)

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